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サマー2000シリーズ第3戦の小倉記念で、ホッコーパドゥシャが重賞初制覇を目指す。シリーズ初戦の七夕賞は後方から追い込んで3着と、7歳を迎えても力のあるところを見せた。中2週でも元気一杯で、調教も十分積んでいる。ここでタイトルを獲得し、シリーズチャンプの座をグッと引き寄せられるか。
着実に成長した姿には、かつてのひ弱さは見られない。完全にひと皮むけたホッコーパドゥシャが、堂々の主役候補として重賞初Vをにらむ。
「相変わらず具合はいいですね。春先はレース後に疲れを見せるような所があったけど、今は腰や背中が強くなって、そういう部分がなくなっている。間違いなく状態は上向いていますよ」
鹿屋調教助手がデキの良さに太鼓判を押す。今年4月の福島民報杯でオープン初勝利。その時点から夏は七夕賞から始まるサマー2000シリーズを目標に設定。その前走はスムーズさを欠きながら後方から猛然と追い込み3着を確保。絶望的な展開での4ポイント獲得は地力強化の証明であり、シリーズ制覇の夢をつないだ。
「調子が上がってくると肉付きが良くなってくる傾向がある。だから中間は普段の調教量を増やしているくらいで、十分に乗り込んでいますよ」
鹿屋助手が自信の調整過程に胸を張る。中2週でも緩めるところは一切なく、追い切りを翌日に控えた28日も坂路を2本駆け上った。以前は坂路1本が通常メニューだったのだから、その強化ぶりは歴然。夏負けどころか、7歳馬は元気いっぱい、決戦に備えている。
昨年9月に開業した村山厩舎は2年目に突入した今年、テスタマッタでジャパンダートダービーを制覇するなど順調に成果を挙げ始めた。「交流GIを獲れたので、次は中央の重賞を勝ちたい」。厩舎が軌道に乗ったからこそ、鹿屋助手の口調にも力が入る。さらに「調子のいい時が福島だっただけで、コースは問わないタイプ。サマーシリーズを狙う以上は、勝たないと始まらないからね」と次々と前向きな言葉が飛び出す。
ここを勝てばシリーズ首位を走るミヤビランベリら札幌記念(第4戦)を予定しているライバルたちにプレッシャーをかけられる。ホッコーパドゥシャが、絶好のチャンスを逃さない。(瀬戸聡)