夏の小倉も最終週を迎える。すでに小倉記念（ダンスアジョイ）、北九州記念（サンダルフォン）を制している松永幹夫調教師（４２）は、小倉２歳Ｓにサリエルで挑戦。勝てば、同一年の夏の小倉平地３重賞完全制覇という史上初の記録となる。また、３年ぶりに小倉参戦の福永祐一騎手（３２）も、７年ぶり４度目の夏の小倉リーディングジョッキーに意欲満々だ。

　夏のフィナーレにふさわしい史上初の記録が刻まれようとしている。同一年の小倉記念、北九州記念、小倉２歳Ｓの夏の小倉平地３重賞の完全制覇。その挑戦権を得ている松永幹厩舎が、小倉２歳Ｓに有力馬サリエルを送り込む。

　「完全制覇は初めて？　チャンスはありますよね。ここまできたら、いい形で小倉を締めくくりたいですね」

　松永幹調教師は柔らかな笑みを浮かべながら意欲をにじませた。

　０７年３月に厩舎を開業したトレーナーにとって忘れられない夏となった。５月２４日に今年７勝目を挙げると、２カ月間も勝ち鞍から遠ざかった。そして、夏競馬の開幕と同時に厩舎の快進撃が始まる。５週連続で勝利を飾り、小倉記念ではダンスアジョイで重賞初制覇。中央競馬の１０場のうち騎手時代に唯一重賞を勝てなかった小倉で管理馬がタイトルを獲得。さらに、サンダルフォンで北九州記念を快勝。一気に波をつかんだ。

　「小倉が始まるまでは２カ月勝てなかったんですけどね。それが重賞も勝てて、いい夏になりました」とトレーナーも目を細めた。

　“ラスト１冠”を託すサリエルは初勝利に３戦を要したが、持ち時計（２戦目の小倉芝１２００メートル未勝利戦１分８秒１＝良）は出走メンバーでＮＯ．１。「新馬戦の頃に比べると、調教も動けるようになりました。追ってからがいいし、時計を持っているのは強みです。楽しみですよ」と手応えをもって臨む。最後まで夏の小倉を“独り占め”するつもりだ。（土井高志）

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