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天皇賞・秋に次ぐGI連覇へ向けて、最後の関門も難なくクリアした。ブエナビスタは27日午後、予定どおりの輸送時間で決戦の地、東京競馬場に降り立った。到着後も周囲の喧噪を気にすることなく、優雅に歩く姿には女王の風格が漂う。GI通算6勝目をさえぎるものは何もない。
前走の天皇賞・秋を圧巻のパフォーマンスで圧勝した(16)ブエナビスタは、27日、午前9時に滋賀県・栗東トレーニングセンターを出発し、午後3時前には無事に東京競馬場の出張厩舎に到着。約6時間と予定どおりの輸送時間だった。
トレードマークの黄色いメンコに薄手の青いラグ(馬服)を身にまとい、厩舎周辺を45~50分ほどかけて引き運動。馬運車や多くの報道陣が往来する中でも、全く気にせず女王の風格を漂わせる。
「馬運車の中でも頭を下げてじっとしていた。どこに行ってもイレ込まないし、好不調の波もない。(状態が安定して)変わらないのがいちばん」と山口慶次厩務員はブエナビスタの精神力の強さに感嘆の様子だ。
今春はUAE遠征(ドバイシーマクラシック2着)から帰国後、疲れが尾を引いていたにもかかわらず、帰国初戦のヴィクトリアマイルに優勝。続く宝塚記念ではナカヤマフェスタに先着を許したが2着は確保した。春シーズンは本調子を欠きながらも、立派な成績。休養を挟み、前走の天皇賞・秋では強い名牝が完全によみがえった。
「前走後の疲れはいつもほどではなかった。使って馬がピリッとして状態の上積みは見込める。東京では負けていないからブエナも居心地がいいのかな」。山口厩務員は3戦全勝の東京との相性の良さをアピールした。
今回は外国馬や未対戦の3歳馬など、未知の部分は多いが、それで女王の座が揺らぐブエナビスタではない。オークス、ヴィクトリアマイル、天皇賞・秋でGI3勝を挙げている東京で、通算6度目のGI制覇を達成する時が目前に迫ってきた。(片岡良典)