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29日付で引退し、3月から調教師に転向する秋山真一郎騎手(45)=栗・フリー=が、今週末の小倉競馬でのラスト騎乗を前に胸のうちを語った。12レースに騎乗して勝ち星を上積みし、有終の美を目指す。
27年にわたる騎手生活が終わりを告げようとしている。すがすがしい表情ながら、秋山真騎手から出てきたコメントは意外なものだった。
「未練はあります。憧れてなったジョッキーだし、できたら一生したかった。ただ、けがをしたり、年齢とともに下手になり、騎乗数が減ってきたのは事実なので…」
JRA通算1058勝を挙げ、2012年にはNHKマイルC(カレンブラックヒル)、阪神JF(ローブティサージュ)とGⅠ2勝。JRA全10場重賞制覇も達成したが、完全燃焼には及ばなかった。
思い出の馬は幾多の勝利よりも、2着に敗れた2007年のオークスでコンビを組んだベッラレイアの名前が真っ先に出た。1番人気で挑むもゴール寸前でローブデコルテにわずかに差された。
「悔しさ、情けなさ…。今から思うと、何とかなっていたと思えるぐらい。僕が〝勝ってしまう〟という雰囲気に飲まれましたし、もっとうまくなりたいと思ったレースでした」
ネガティブな振り返りが続くが、探求心が強いことの表れだ。「自分がジョッキーだという誇りを持ってきたし、譲れない部分は持っています」と言う。本当にマイナス思考なら、次の進路に経営能力が問われる調教師は選ばなかっただろう。「みなさんに応援してもらえるような、和気あいあいとした厩舎を作っていきたいですね」と目を輝かせる。
最終週は土日ともに小倉で騎乗する。「2回目の1200メートルで楽しみ」という土曜2Rのスウィートリワード、「チャンスは続いている」日曜3RのジューンアースあたりがV候補。レース終了後には引退式も行われる予定で「今まで勝っても負けても泣いたことはなかったのですが、このときばかりは泣くことにします」と〝号泣宣言〟?! 最高のフィナーレを目指す週末がやってくる。(佐藤将美)
■秋山 真一郎(あきやま・しんいちろう) 1979(昭和54)年2月9日生まれ、45歳。滋賀県出身。1997年3月に栗東・野村彰彦厩舎からデビュー。同9日の中京2R(スズカアオイ)で初勝利。98年神戸新聞杯(カネトシガバナー)で重賞初V。22日現在、JRA通算1万3529戦1058勝(うち重賞はGⅠ2勝を含む38勝)。フェアプレー賞7度。父・忠一氏は元JRA騎手。3月から騎手時代の同期・武幸四郎調教師の厩舎で技術調教師となる予定。167センチ、50キロ。
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ウマニティ ウマニティ編集部 | 0 0 59 |