競馬ニュース > 記事
東京芝1600mで行われる2歳限定のG3。
2015年に前身の「いちょうステークス」から、「サウジアラビアRC」へ名称が変更され、新設重賞へ。翌年、G3に格付けされた。
まだ若い重賞ながら、2018年グランアレグリア、2019年サリオスなど、その後G1馬となった馬が複数いる。
出世レースを制するのはどの馬か。データは2015年から2022年、過去8年分を使用する。
逃げた馬の成績は【0-1-1-6】。内訳は2019年3番人気3着アブソルティスモ、2022年7番人気2着グラニット。両年ともに9頭立てだった。
直線の長い東京とはいえ、少頭数の年が多いため、もう少し粘ってほしい気もする。ただ、逃げていたのはほぼ人気薄。
逃げ粘りが決まった年の前後半3ハロンは以下のとおり。
2019年 35秒1-33秒5( 59秒2 )
2022年 34秒8-35秒6( 57秒8 )
※()内は5ハロン通過タイム
アブソルティスモの年はスロー。一団の馬群から、瞬発力のある2頭に先着された。
グラニットは中盤緩めず逃げたが、グラニットがグラニットしたというか、これがこの馬の形。
同じ少頭数でも内容は異なる。
東京芝1600mのスタートは、向こう正面の奥。
スタートから250mまでは緩やかな下りも、3コーナーまで550mと十分に距離があり、ペースはあがりにくい。
3コーナーの手前で上り、下りながらのコーナーリングとなるため、息を入れたい箇所で息を入れづらい。距離以上のスタミナも求められる。
直線は高低差約2mの坂を含む525m。瞬発力をフルに発揮しての追い比べ。
大箱のワンターン、枠による有利不利も少なく、実力が素直に反映されやすいコース。
9頭立ての今年は、前走逃げた馬が4頭と、かなり多い。
過去8回の開催では、最も多い年で2017年の2頭。2015年と2018年は該当馬がおらず、それ以外の年は1頭だった。
また、サウジアラビアRCで逃げた8頭は、前走逃げた馬か、既に逃げた経験のある馬。
今年、逃げて参戦する馬の前走テン1ハロンは以下のとおり。
■シュトラウス
東京芝1600m 13秒1
■マリンバンカー
中山芝1200m 12秒6
■ゴンバデカーブース
東京芝1600m 12秒6
もう1頭レーヴジーニアルは、札幌芝1500mへ出走し、スタートから100m6秒7、300m18秒0。
シュトラウスはスピードの違いで押さえきれずにハナへ行った。2歳のこの時期だし、今回も控える競馬を試みそうな気もする。
マリンバンカーは立ち上がったタイミングでゲートが開いた感じ。内枠から押しながら逃げの手を取っている。
レーヴジーニアルは函館芝1800mの新馬戦でも逃げており、この時のテン1ハロンは12秒5。ただ、すんなり行けた感じある。
一方、ゴンバデカーブースは内から抵抗する馬を楽に交わしてのハナで、追えばまだ速いタイムを出せそう。その気があればハナへ行くスピードがあると見たい。
◎ゴンバデカーブース。新種牡馬ブリックスアンドモルタルの産駒。前述のレースは新馬戦にあたり、前半3ハロン35秒9、5ハロン60秒1とやはり緩いが、極端にラップを落とす地点を作らず淡々とした逃げ。
本格的に追われ出したのが、400mを過ぎた辺りで、そこからしっかりと伸びている。中間の動きも良く、控える形にも対応できそう。上位2頭はなかなか強いが1角崩しに期待。
馬券は◎の単複、ボンドガールとの馬連。
(文・垣本大樹)