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秋のGⅠシリーズ開幕戦、スプリンターズSの「俺のチェックポイント」2日目は、東京サンスポの漆山貴禎記者が美浦で昨年の2着馬ウインマーベルに注目。前走のキーンランドCは最下位16着に終わったが、劇的な巻き返しがあるのか? 陣営を直撃し、前走の敗因と逆襲の手応えを探った。
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スプリンターズSといえば荒れるGⅠだ。過去10年中8年で8番人気以下の伏兵が馬券に絡んでいる。また、1990年のGⅠ昇格後に前走で最下位、またはブービーに敗れていた馬が3勝しており、昨年Vのジャンダルムも北九州記念18頭立て17着からのドラマチックな巻き返しだった。
ならば、ウインマーベルの逆襲がないか。昨年は3歳の身でクビ差2着に好走した実力馬だ。前走・キーンランドCは2秒3差の最下位16着に終わったが、敗因さえ明確なら見直す必要がある。深山調教師を直撃すると、大敗のショックを感じさせない前向きな答えが返ってきた。
「前走は馬場が悪かったですし、スタート直後に挟まれてしまいました。それに中間に挫跖があって1本追い足りなかったですね。そういう意味では厳しいものがありましたが、今回に向けてはいいたたき台になったと思います」
思えば、今年は中京の2戦で不利な外枠を引くなどつきのない競馬ばかり。唯一、スムーズなレースができた京王杯SCでは2着しており、能力は引けを取らない。
今回は調整過程もはるかに順調だ。美浦Wコースで1週前に一杯に追われて6ハロン83秒0―11秒8をマークし、日曜(24日)も同ラスト1ハロン11秒7と意欲的にしまいを伸ばした。「気持ちの面に左右されるところが大きいので、テンションが上がるようにしまいをしっかりと追うような形でやっています。だいぶ気合が乗ってきた感じですね。力を出せる条件さえそろえば、いい競馬ができると思います」と指揮官は確かな上昇ムードを感じている。
マーベルとは「驚くべきこと」を意味する。前走最下位からのアッと驚く大激走へ―。前予想は▲評価としたが、馬券には不可欠な存在だと感じている。(漆山貴禎)