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菊花賞のダークホースといえば、夏の上がり馬が定番。過去アカネテンリュウやメジロマックイーンなど、春のクラシックと無縁だった馬が、菊の大輪を咲かせてきた。今年の注目は3連勝中のトウカイメロディ。3000メートルのスタミナ勝負は望むところだ。
出走予定馬へ
夏の北海道で破竹の3連勝。上がり馬のトウカイメロディにとって、3000メートルの菊花賞ほど、似合う舞台はない。
青葉賞6着後、ダービーは抽選で除外。仕切り直しとなったHTB杯を快勝すると、続くみなみ北海道S、札幌日経オープンも圧勝。2600メートルのオープン特別で、重賞の常連であるホクトスルタン(目黒記念)などの古馬勢を寄せ付けなかったのは大きな自信となった。「2走前が50キロで前走が53キロだったが、古馬相手に2回続けて、オープンを勝つのは凄いこと」と後藤調教師は夏以降の充実ぶりを実感している。
「前走のあとは短期放牧を挟んで美浦に帰厩。順調に乗り込んでいるし、今回は京都までの輸送があるので430キロ台での競馬になると思う。ダービー1、2着馬とやっていないぶん、未知の魅力はあるよね」。過去10年で春のクラシック不出走馬は6勝しており、トレーナーは世代トップとの対戦にも臆するところがない。
「今回は一気に(負担重量が)57キロとなるが、体のわりに斤量は気にしないタイプだからね。スタミナ豊富で、しまいに確実に脚を使えるのがこの馬の武器。いい状態で向かえるし、負けると思って使うんじゃない」と頂点を狙える手応えは十分すぎるほどだ。
春は能力を出し切れずに皐月賞、ダービーに出走できなかったトウカイメロディだが、夏の北海道で鮮やかに覚醒。長距離戦で、素質の良さが開花した。スタミナや勢いは出走メンバー中、一番と言っていい。
アカネテンリュウやメジロマックイーンらが名を連ねる上がり馬列伝。トウカイメロディが春の勢力図を塗り替え、偉大な先達の足跡をたどる。(片岡良典)
★夏の上がり馬が大活躍
皐月賞、ダービーは不出走。夏を境に力をつけて菊制覇を成し遂げた馬で、代表的なのは1969年アカネテンリュウだろう。76年グリーングラスはトウショウボーイ、クライムカイザーを撃破して、あっと言わせた。他にも90年メジロマックイーン、01年マンハッタンカフェなどが有名。02年ヒシミラクルはダービー当日に初勝利を挙げ、08年オウケンブルースリは6月8日に初Vでダービー当日は未勝利馬だった。