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昨年の安田記念で3着だったファリダットが、2年連続で春のマイル王決定戦に臨む。出走馬を決める順位では登録馬25頭中で最下位だったが、レーティングで日本馬1位の「115ポンド」の評価を得て出走可能となった。ウオッカ、カンパニーなど昨年のマイルGI勝ち馬が引退し、断然の主役が不在のカテゴリーで、GI級の能力を持った5歳馬が頂点を目指す。
出走予定馬へ
昨年の安田記念3着馬ファリダットが、レーティング上位でつかんだ“出走権”を生かして待望の重賞VをGIで狙う。
昨年は10番人気ながらもウオッカ、ディープスカイのダービー馬2頭に続く3着。メンバー中最速の上がり3ハロン35秒3をマークし、改めて潜在能力の高さをアピールした。その後は休養に入り、今年3月の六甲Sで復帰したが1番人気で4着。ハンデ頭の優先権で出走したダービー卿CTは、トリッキーな中山マイルの外枠で流れに乗れずシンガリの16着。前走のオーストラリアTは上がり3ハロン32秒9を駆使しても4着まで。安田記念第1回登録での出走決定順は最下位の25番目だったが、先日発表されたレーティングは昨年3着が評価されて日本馬1位の115で出走可能となった。
「賞金加算できてないのは事実だが、レーティング上位で能力を認められて出られるのは良かった」と青木調教助手は胸を撫で下ろす。27日の1週前追いはPコースでラスト1ハロン11秒7を馬なりでマーク。「上がりの反応を確かめたが、切れる感じがした」と栗東に駆けつけて騎乗した初コンビの蛯名騎手も好感触を得ている。
「体調はいいし、昨年ぐらい走ってくれれば…、という気持ちはある。明日(2日)の追い切りもしっかりやるので、この馬向きの流れになって欲しい」と青木助手。期待に応えるためには追い切りで迫力のある動きを見せられるかがカギだ。
母は短距離GI(02年スプリンターズS、03年高松宮記念)で2勝を挙げたが、息子はマイルがベスト。紛れがない地力勝負が問われる東京1600メートルなら能力を最大限に発揮できる。良馬場で決め手勝負は望むところ。526メートルの長い直線でファリダットの末脚が炸裂する。(片岡良典)