３冠最終戦「第７７回菊花賞」（２３日、京都、ＧＩ、芝３０００メートル）はディーマジェスティ、サトノダイヤモンドの２強ムードが高まっているが、菊はここ４年、１、２番人気で決まったことはない。割って入れば…。決戦を前に意気上がるのは、栗東の笹田和秀調教師（６０）だ。神戸新聞杯で掲示板に入った２頭、春２冠の実績もある５着エアスピネルと、急成長中の３着レッドエルディストが出陣する。３０００メートルでの逆転へ、手応えは十分だ。（夕刊フジ）

　－－２頭ともが前哨戦の神戸新聞杯で掲示板を確保できたのは収穫。エアスピネルは皐月賞、ダービーからひとつ着順を落とす５着だったが、新たな見どころがあった

　笹田和秀調教師「ひと夏を越して、いい雰囲気で臨めたし、（春よりも）折り合いがついて、スムーズな競馬ができていた。精神面の成長を十分に感じる内容だったし、いい予行演習だったと思う」

　－－レッドエルディストは３着と、ダービーの９着から大きく前進。エアとの地位を逆転した

　「何といっても、いつもより前めのポジションで競馬ができたのが一番の収穫だった。後方から堅実な末脚も使ってくれたしね。まだまだこちらの期待どおりに成長しているわけではないが、気性や馬体は大人っぽくなってきた。本当に完成されるのは来年の秋ぐらいだと思うけどね」

　－－ともにひと叩きされての上積みも感じさせている。エアは武豊騎手が乗った１９日の坂路で追走から４馬身先着と、豪快に動いていた

　「こちらからは、しまい重点でサッとやってほしいと指示した。時計のかかる馬場コンディションだったけど、速い時計をマークしてくれたね。低い重心で、実にいいフォーム。ジョッキーも、『前走より良くなっている』と言っていたよ」

　－－レッドは余裕があった前走よりも締まった体を見せて、ラスト１Ｆ１２秒４で伸び半馬身先着した

　「坂路ではあまり動かないほうなんだけど、しっかりした走りで、この馬なりに時計も良かったと思う。動きは上々といえるね。前走後はここへ向けて、すごく順調に調整できている」

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