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ヌーヴォレコルトのキャラクターを端的に表現するなら“逆襲”がしっくりとくる。まして今回はその二文字がいかにも躍動しそうな状況下なのだ。
オッズにこうも反発するサラブレッドも珍しい。これまで重賞で1番人気に支持されること5回。その成績はといえば(2)(2)(6)(2)(2)着と見事なまでの裏切りようで、まるで“気まぐれジョージ”と名を馳せたエリモジョージに陶酔しているようでもある。
一方、伏兵扱いだったケースの“気まぐれヌーヴォ”はというと…。単勝1・3倍の大本命ハープスターを見事に出し抜いた2年前のオークス(2番人気)、人気を分けた新旧皐月賞馬をあざ笑うかのようなイン突きを決めた昨年の中山記念(3番人気)と、ひねくれ根性(?)をスパークさせている。
もちろん、ヒートアップさせる要素は人気への反発だけではない。休み明けという設定を決して忘れてはならず、これまで2カ月半以上間隔が空いたケースでは(2)(1)(2)(1)着と、いまだ連対を外していない。
自身が伏兵扱い+休み明けを悟っているのか、本番の香港GIクイーンエリザベスIIC(24日、シャティン、芝2000メートル)を前に、究極に近い仕上がりを見せている。今週30日の美浦Wコース5F62秒6はヌーヴォにとっては朝飯前で、さして驚く必要はないが、注目したいのはその見た目。パートナーの岩田騎手が「毛ヅヤが今までにないくらい、いい。ピカピカで、血管も浮き出ている」と評するほど、見映えのする肉体美を誇っている。
「相手もGIクラスなのでしっかり仕上げた。ここで不甲斐ない競馬をしてしまうと、この先を考え直さなければいけないので…。今の状態ならいい結果を残して香港に行けるはず」とは斎藤誠調教師。もう、“逆襲のヌーヴォ”のシナリオしか見えない。
(夕刊フジ)
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