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オークスの追い切りが18日、東西のトレセンで行われた。ディープインパクト産駒の伏兵メデタシも坂路で軽快なフットワークを披露。仕上がりは絶好で、桜花賞4着以上の走りが可能だ。
チューリップ賞3着に続き、桜花賞でも4着に健闘。1勝馬ながらも2冠の参戦権利をしっかり手にしてきたメデタシが、この春最後の大一番に向けて抜かりない調整を行った。
東京への長距離輸送を考慮して、坂路で単走。4ハロン54秒6-13秒2と時計は平凡だったが、前日の降雨で走りにくかった馬場状態を考えれば合格点。雰囲気は上々だ。
「少しテンションが高くなる馬なので今回のけいこは控えめ。時計はかかったが、やり過ぎるよりはいいからね。輸送での馬体減はある程度覚悟している。道中うまく折り合って持ち味の末脚を生かせれば、それなりにやれるんじゃないかな」と音無調教師は手応えをつかんでいる。
26年前、21番人気の伏兵ノアノハコブネで直線一気の追い込みを決めて、オークス(85年)を制したのは当時騎手だった音無師。「過去にそういうこともあったな」とはぐらかすが、ハコブネのオーナーはメデタシと同じ小田切有一氏であり、恩返しをしたい気持ちは強い。
1週前追い切りで感触を確かめた浜中騎手は「前向きな気性で一生懸命になり過ぎる面はあるが、持ち前の勝負根性の良さを生かしたい」と2度目(09年菊花賞=スリーロールス)となるクラシックVへ夢を馳せる。
1勝馬ながら、自己条件を使わず、あえて強い相手にぶつけてきたのは陣営の期待の高さの証明。デビューから6戦、すべて5着以内に入っている堅実さも魅力だ。小さな体に脈々と流れている父ディープの血が覚醒し、その名の通り、万事“メデタシ”となるか。侮れない桜花賞4着馬だ。(片岡良典)