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春のGIシリーズ開幕戦となる高松宮記念(29日、中京、GI、芝1200メートル)に出走するコパノリチャードが25日、滋賀県栗東トレセンで追い切りを行った。坂路を活気あふれる姿で駆け上がり、余力たっぷりに好時計をマーク。キンシャサノキセキ(2010・11年)に続く史上2頭目の連覇に向けて態勢は万全だ。
名残雪が舞うほどの冷たい風を一身に受け止めて、コパノリチャードが栗東の坂路をスムーズに加速した。春の短距離王決定戦に向け、連覇へのスタンバイはOKだ。
「先週、併せ馬でやっているから、今週は単走で徐々にラップを上げる指示。いい動きでした」
予定どおりの調整を終えて、宮調教師の表情が満足そうにほころんだ。最初の1ハロンを14秒5で入ると、その後は13秒1、12秒4と、まさに指示どおりにラップを上げていく。最後は鞍上のムチにこたえて12秒1でフィニッシュ。単走で4ハロン52秒1のタイムも、合格点のものだった。
「最後も余力がある感じでしたね。前走の阪急杯(6着)前の追い切りは、息がいくらか気になったけど、ある程度できていると思った。1番人気を裏切って申し訳ないと思っています」
休み明けだった前走以上の仕上がりを確信して、調教師は自信を取り戻したようだ。昨年は阪急杯を勝って高松宮記念へ向かったが、今年は前哨戦を負けて向かうことに。だがトレーナーは「馬場が悪い状態でしかもハイペースを、自分から動いて後ろを引き離すのに脚を使った。1200メートルまではしっかり走っていて、悪い内容ではなかった」と、距離短縮での巻き返しは可能とみている。
フェブラリーSを同じDr.コパこと小林祥晃(さちあき)オーナーのコパノリッキーが連覇しただけに、こちらも負けてはいられない。「昨年は熱田神宮にお参りして勝てたから、今年もそうしようかな。馬の状態はいいから、昨年以上のレースができると思う」と、オーナーから授かった風水の力も借りて臨むコパノリチャード。2010、11年のキンシャサノキセキ以来、2頭目の高松宮記念連覇へ、準備は万端に整った。 (柴田章利)