芦毛の馬体が稲妻のごとく大外を突き抜けた。スマートレイアーは阪神牝馬Ｓで大きく出遅れ最後方になったが、直線でためにためていた末脚を炸裂、メンバー中最速の上がり３Ｆ３３秒３をマークし重賞初Ｖを決めた。

　「出遅れたときにファンのどよめきが聞こえた。でも、よく届いてくれたね。阪神の内回りで上がり３Ｆ３３秒台を使える馬はそうはいない」。不本意ながらも“千両役者”を演じる形になった武豊騎手が振り返る。

　昨年は桜花賞当日の遅いデビューから、秋華賞２着まで駆け上がった。まだキャリアは８戦で伸びしろは十分。「今年は大阪城Ｓ、前走と連勝しているが、さらに良くなっている」と、大久保龍調教師も予想以上の成長に目を丸くする。

　先週７日は坂路で４Ｆ５２秒７、ラスト１Ｆ１２秒５（馬なり）の好時計をマークし、古馬５００万下を２馬身突き放した。「目一杯には追っていないけど、動きに切れがあった。１週前としてはいいね」とユタカ。

　「秋華賞といい、肝心なところで出遅れているから、スタートはやってみないと分からない。ただ、東京のマイルは条件的に合うと思う。メイショウマンボに雪辱したいね」と、０９年ウオッカに続く２勝目に意欲満々。今の勢いならマンボ逆転のシーンは十分だ。

　東京ＧＩ５連戦の第２弾は、マイル女王を決定する「第９回ヴィクトリアマイル」（１８日、芝１６００メートル）。ＧＩホースが４頭顔をそろえているが、虎視眈々と頂点を目指すのがＧＩＩサンスポ杯阪神牝馬Ｓで重賞初Ｖを果たしたスマートレイアーだ。磨きをかけた末脚で直線強襲を狙う。（夕刊フジ）

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