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春のスプリント王者を決める高松宮記念(30日、中京、GI、芝1200メートル)の追い切りが26日、東西トレセンで行われた。栗東では、シルクロードSを勝ったストレイトガールがCWコースでシャープな伸びを見せて、調教評価『S』をゲット。阪急杯の勝ち馬コパノリチャードも『S』を獲得する力強い動きを披露。美浦では、スマートオリオンが活気ある走りを見せつけた。
勢いは隠せない。充実一途のストレイトガールが、頂上決戦に向けて、絶好の動きを披露した。
「きょうはリズムよく走らせた。いい状態で、予定通りに来ています」。藤原英調教師が満足げにうなずいた。
CWコースで単走追い。3~4コーナーのモヤを切り裂くように進んでいく。直線はキビキビとした脚取りでラスト1ハロン12秒4とシャープに伸びた(5ハロン64秒8)。ほぼ馬なりだったが、強い追い切りは不要。先週19日には同コースで長めに追われて(6ハロン79秒3-11秒6)併せ馬で先着しており、仕上がりは万全と言っていい。
前走のシルクロードSは、上がり3ハロン33秒0の豪脚で重賞初制覇を飾った。快進撃の要因が、馬体の成長だ。3歳時のエルフィンS(422キロ)より30キロも増えて、別馬のようにパワーアップを遂げた。「きゃしゃな牝馬だったけど、原動力となるトモ(後肢)がしっかりしたのが大きい」と田中助手は証言する。
愛馬の急成長ぶりに、トレーナーも「昨夏の時点でGIを狙える」と確信。昨秋のスプリンターズSをパスして、今回と同舞台の2走前(尾張S)から始動したのも、この大一番に照準を定めたからこそ。
「2走前は中京への輸送でも体が減らなかったように、精神面も成長している。想像していた以上に良くなっているし、今回もいい競馬をしてくれると思う」と指揮官は力を込める。岩田騎手も「一戦ごとに強くなっている。どっしりして、どこからでも運べるのが強み。リズムよく走らせてやりたい」と頂点を狙う。
絶対王者ロードカナロアが去り、空位になった短距離王の座。一歩一歩階段を駆け上がってきたシンデレラが、スプリント界の頂点に立つ。 (鈴木康之)
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