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第21回エルムステークス(14日、札幌11R、GIII、3歳上オープン国際(指)、別定、ダ1700メートル、1着本賞金3600万円=出走12頭)黛弘人騎乗で7番人気のリッカルドが、中団から3コーナー過ぎで一気に好位に進出し、直線も力強く伸び重賞初挑戦で初勝利を飾った。タイム1分43秒5(良)。フサイチリシャール産駒のJRA平地重賞初勝利(障害では今春にニホンピロバロンが京都ハイジャンプをV)となった。1番人気のモンドクラッセは3着だった。
心地よい風に乗って広がったのは、どよめきだった。前走でオープン入りしたばかりのリッカルドが、7頭の重賞ウイナーを差し置いて重賞初V。初コンビでタイトルに導いた黛騎手は、自身にとって昨年のフェアリーS(ノットフォーマル)以来となる重賞2勝目を笑顔で振り返った。
「もう一列前での競馬を考えていたけど、まくってきた馬と一緒に、じわじわと楽に上がっていけた。最後はこの手応えならかわせると思った」
スタートは五分に出たが、周りが速く道中は中団に構えた。向こう正面で後方にいたブライトラインが動くと、一緒に外を通って進出を開始だ。2番手まで上がって直線に向くとさらに加速。1番人気のモンドクラッセを残り100メートルで捕らえると、最後は重賞3勝馬クリノスターオーの追撃をクビ差しのいだ。
黒岩調教師も昨年の毎日杯(ミュゼエイリアン)に次ぐ重賞2勝目で「思い通りでしたね。直線でのはじけ方は今までで一番よかった。しっかりと力をつけているのが分かった。でも、正直、びっくりしました」と頬を緩めた。「馬体の回復が早まっているぶん、調教をしっかり積めている。まだよくなる余地があるので、少しずつよくなってくれると思う」と先を見据えた。
2005年に朝日杯FSを勝ち、2歳牡馬王者となった父フサイチリシャールは14年に種牡馬を引退し、北海道で余生を過ごしている。産駒のJRA平地重賞制覇はこれが初めて。父譲りの白い馬体が、これからも親孝行の走りを続ける。(川端亮平)
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