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米国の3冠最終戦のベルモントS(GI、3歳、定量、ダート・左12ハロン=約2400メートル、1着本賞金80万米ドル=約8560万円)が、6月11日(現地時間、日本時間12日早朝)にニューヨーク市郊外のベルモントパーク競馬場で行われ、日本から遠征した武豊騎手騎乗のラニ(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎、父タピット、母ヘヴンリーロマンス、母の父サンデーサイレンス)は3着と大健闘。6番人気のラニはいつものように後方からレースを進め、向こう正面でポジションを上げていく。直線は大外に持ち出し、素晴らしい伸びを見せて勝ち馬から1馬身半差の3着に入線した。
優勝したのは7番人気のクリエイター(牡3歳、S.アスムッセン厩舎、I.オルティスJr.騎手、主な勝ち鞍2016アーカンソーダービー=ダート9ハロン・米GI)。ラニと同じタピット産駒で、ケンタッキーダービー13着敗退からベルモントSに直行して巻き返した。勝ちタイムは2分28秒51(良)。ハナ差の2着に4番人気のデスティン。芦毛馬のワン・ツー・スリー決着となった。プリークネスSの勝ち馬で1番人気に推されたエグザジャレイターは11着に敗れた。
ラニはケンタッキーダービー(5月7日、GI、ダート10ハロン=約2000メートル、9着)、プリークネスS(5月21日、GI、ダート9.5ハロン=約1900メートル、5着)で米3冠を皆勤。日本調教馬が米3冠に出走したのはスキーキャプテン(1995年ケンタッキーダービー、14着、武豊騎手)以来2頭目、3冠皆勤は初めて。
武豊騎手(3着=ラニ)「馬のコンディションも非常に良く、いいレースでした。直線を向いて勝利を意識する瞬間があったほどで、悔しい気持ちも感じています。アメリカのタフな3冠レースすべてに参加し、しかも3つのレースのなかで進歩しながら3冠レースを盛り上げたラニは素晴らしいと思います。このような貴重な経験をさせていただき、オーナーをはじめ関係者のみなさまに感謝しています」
松永幹夫調教師(3着=ラニ)「よく頑張ってくれました。スタートが良く、また、距離が長いレースだったので、ペースが落ち着き、楽に追走できました。ラニの競馬はできましたが、もう一歩でしたね。十分世界で戦える力を見せてくれたので、また海外のレースにチャレンジしてみたいです」
この後、ラニは日本に帰るための検疫厩舎で1週間過ごし、アラスカ経由成田着の貨物便で帰国する予定。
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