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第61回京王杯スプリングカップ(14日、東京11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝1400メートル、1着本賞金5900万円、1着馬に安田記念の優先出走権 =出走16頭)3番人気サトノアラジンが後方から鋭く伸び、11度目の挑戦で重賞初制覇を飾り、安田記念(6月5日、東京、GI、芝1600メートル)の優先出走権を獲得した。タイム1分19秒6(良)は2012年フリーウェイSでミトラがマークしたコースレコードとタイ。7番人気サンライズメジャーが1馬身1/2差の2着。1番人気エイシンスパルタンは7着に終わった。
直線、一気の伸び脚に無冠の大器の覚醒が感じ取れた。3番人気のサトノアラジンがコースレコードタイの1分19秒6で完勝。安田記念の優先出走権を手に入れた。
「強かったです」
川田騎手のこのひと言に、今回のアラジンのレースの全てが詰め込まれている。スタートして後方に待機。先行馬に有利なゆったりした流れだったが、あわてずに直線で外に持ち出すと、そこから火の出るような末脚が炸裂して前の馬たちを捕らえた。
上がり3ハロン32秒4という極限の豪脚。「途中でフワフワするところがあるので、そこは用心しましたが、4コーナーの手応えも良かったですね」と川田騎手は満面の笑みで振り返った。
2歳夏のデビュー時から大物といわれたが、11度目の挑戦でようやく重賞初勝利。1600メートル未満のレースへの出走は今回が初めて。「なかなか適性が見抜けなかった。外から伸びてきたときは感動しました」と池江調教師はタイトルが獲れたことにホッとした表情。安田記念に向けて、「待ってろよ、モーリス!」と意気込みを話すと、川田騎手も「自信を持って臨みます」と気合が入る。重賞だけでは物足りない。サトノアラジンの本当の強さはGIで証明される。 (柴田章利)
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サトノアラジン 父ディープインパクト、母マジックストーム、母の父ストームキャット。鹿毛の牡5歳。栗東・池江泰寿厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は里見治氏。戦績19戦6勝(うち海外1戦0勝)。獲得賞金2億3122万5000円。重賞初勝利。京王杯SCは池江泰寿調教師、川田将雅騎手ともに初勝利。馬名の意味は「冠名+人名より」。