いよいよ秋競馬が開幕。関東の舞台は新潟から中山に移り、日曜メーンにハンデＧＩＩＩの京成杯オータムＨが行われる。注目はこの夏に一気にオープンまで駆け上がり、重賞初挑戦の関屋記念で２着と好走したエアラフォン。新潟リーディングに輝いた福永祐一騎手とのコンビで重賞Ｖを飾り、混戦模様のマイル路線の主役の座を目指す。

　待ちに待った秋競馬の開幕。ＧＩ戦線に向けて有力各馬が始動する中、この夏、急成長を遂げたエアラフォンがマイル路線の主役に躍り出ようとしている。

　０７年にダイワメジャーが引退して以降、混沌としているマイル路線。今春の安田記念は９番人気の３歳馬リアルインパクトが勝ったように、絶対的な存在がいない。それだけにエアラフォンにもチャンスは十分だ。

　昨夏以降は裂蹄の影響で休養が長引いたが、復帰３戦目の花見小路特別（１０００万下）を勝つと、朱雀Ｓ（１６００万下）、ストークＳ（１６００万下）と３連勝。だが、続く関屋記念では、先に抜け出したレインボーペガサスを捕らえきれず、惜しくも２着に敗れ、重賞初挑戦でのＶは成らなかった。

　「少し引っ掛かるイメージがあったけど、気がついたらあの（後方の）位置取り。エンジンの掛かりも少し遅かった」と、騎乗した福永騎手はクビをひねったが、池江寿調教師が「輸送してプラス１２キロは少し重かったのかも」と話すように、余裕残しの馬体が反応を鈍くした可能性は高い。それでも、他馬を０秒５以上も上回る上がり３ハロン３３秒１をマークしただけに、能力の高さは十分にアピールした。

　この中間は坂路を中心に乗り込まれ、１日の１週前追い切りでは坂路４ハロン５３秒８で、ラスト１ハロンだけ追われると１２秒５の好反応を見せた。メリハリを利かせた調整で、前走時より反応が良くなっていることは明らかだ。

　「いい意味で落ち着きがありますが、ズブさが出てきたのかな、という気もする。今回は刺激を与える調整で臨むつもりです。重厚感が出てきて状態は変わりなくいいですね」

　池江寿調教師は思惑どおりの調整過程に笑顔を見せる。関屋記念では５６キロで同斤量だったレインボーペガサスが、今回は５７・５キロのトップハンデなのに対し、こちらは５６キロのまま。当時の着差が３／４馬身差だっただけに、今回の１・５キロ差は大きなアドバンテージになる。先週、的中者なしで８億５０００万円余りがキャリーオーバーになったＷＩＮ５。今週は購入者が激増することが予想されるが、対象の最後のレース・京成杯オータムＨは、人気でもエアラフォンに逆らわないほうがいい。

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