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12月24日の中山10Rで行われた「第145回中山大障害」(3歳以上障害オープン、J・GI、芝4100メートル、定量、11頭立て、1着賞金=6600万円)は、五十嵐雄祐騎手の5番人気ニシノデイジー(牡6歳、美浦・高木登厩舎)がレース後半から先頭に立って押し切り、平地・障害のダブル重賞制覇を成し遂げた。タイムは4分45秒9(良)。引退レースで注目を集めたオジュウチョウサン(牡11歳、美浦・和田正一郎厩舎)は、単勝2.4倍の1番人気に推されたが、勝ち馬から2秒3差の6着に終わった。
3馬身差の2着には4番手からじわじわ伸びたゼノヴァース(3番人気)、さらに1馬身差3/4の3着には今年かぎりで引退する植野貴也騎手とコンビを組んだマイネルレオーネ(6番人気)が入った。
レースはビレッジイーグルの逃げで幕を開け、アサクサゲンキ、ケンホファヴァルト、ゼノヴァースなどがこれを追う形。オジュウチョウサンは5番手あたりを追走し、石神深一騎手の巧みなコース取りでロスのない立ち回りを見せた。大竹柵、大生け垣ともに全馬がクリア(レース終盤でアサクサゲンキは落馬競走中止)。大生け垣の前でケンホファヴァルトが先頭に立っていたが、ニシノデイジーが早めにかわしてレースをリードしていく。オジュウチョウサンはなかなか前との差を詰められないまま勝負どころへ。ニシノデイジーは最後までリードを保ち、3馬身差の完勝。平地で2度の重賞Vがある実力馬が6歳秋に新天地で頂点に立った。平地重賞勝ち馬による中山大障害制覇は、1999年のゴッドスピード(平地で小倉3歳S、府中3歳S優勝)以来、23年ぶり。2着は最後までしぶとく伸びたゼノヴァースで、中団追走から最後にインを突いて伸びたマイネルレオーネが3着に食い込んだ。
中山大障害を勝ったニシノデイジーは、父ハービンジャー、母ニシノヒナギク、母の父アグネスタキオンという血統。北海道浦河町・谷川牧場の生産馬で、馬主は西山茂行氏。通算成績は24戦5勝(うち障害4戦2勝)。重賞は2018年GⅢ札幌2歳S、GⅢ東京スポーツ杯2歳Sに次いで3勝目。中山大障害は高木登調教師が初勝利。五十嵐雄祐騎手は13年アポロマーベリックに次いで2勝目。