皐月賞の前日にはハードル界最高峰のレース、中山グランドジャンプ（１６日、中山、Ｊ・ＧⅠ、芝４２５０メートル）が行われる。国内最長距離のうえに、９つを障害を計１２回飛越する過酷な一戦。極限のスタミナと飛越テクニックが求められるチャンピオンレースだ。

オジュウチョウサン（美浦・和田正一郎厩舎、牡１１歳）が空前の同レース６勝目を目指して出陣する。暮れの中山大障害でＪ・ＧⅠ８勝目を飾り、〝障害王健在〟をアピール。今季初戦の阪神スプリングジャンプでは３着に終わったが、他馬より２キロ重い６２キロを背負って０秒３差なら及第点だろう。以前のような絶対的強さこそ薄れてきたものの、Ｊ・ＧⅠの舞台でこそ豊富なキャリアが生きてきそうだ。「今回は順調にきているし、雰囲気はいい。衰えもあるとは思いますが、昨年の大障害では勝ち切る力を持っているところを見せてくれました。今も気持ちが衰えていないことが一番だと思います」と和田郎調教師は愛馬の底力を信じて送り出す。

ケンホファヴァルト（栗東・森秀行厩舎、牡９歳）は一昨年の中山大障害、昨年の中山グランドジャンプで連続２着し、前走・京都ジャンプＳで重賞初制覇を飾った。レース中のけがで大障害には参戦できなかったが、２月から時計を出し始めて乗り込み量は十分。森一馬騎手との新コンビで頂点を目指す。

メンバー最年少のビレッジイーグル（美浦・竹内正洋厩舎、牡５歳）は中山大障害で重賞初挑戦ながら果敢に先行して５着と健闘し、前哨戦のペガサスジャンプＳを逃げ切りとここへきての地力強化が目覚ましい。祖母ブランディニー、母トキノナスティアも中山で障害のオープンを制している名ハードラーの血が大一番で花開くか。


ブラゾンダムール（栗東・松永幹夫厩舎、牡７歳）は中山大障害で１０番人気ながら２着と健闘。前走のペガサスＪＳではクビ差２着と中山に高い適性を示している。西谷誠騎手、松永幹調教師はともにＪ・ＧⅠで勝利歴があり、大舞台を知り尽くしているのは強みだ。

障害で９戦して全て４着以内と安定感の光るマイサンシャイン（栗東・五十嵐忠男厩舎、牡６歳）、オープン３勝の実績があるマイネルレオーネ（栗東・清水久詞厩舎、牡１０歳）も上位進出を目指す。

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