今週は変則３日間開催。日、月曜に行われる中山では、日曜メインに皐月賞トライアルのスプリングＳが組まれている。注目は１勝馬ながら朝日杯ＦＳ４着の実績があるアルナシーム。決め脚は非凡なものを持っており、３着以内に入って優先出走権をきっちりと獲得したい。

何としてでもクラシックの切符をつかみたい。トライアルを前にしてアルナシーム陣営が、闘志を燃やしている。１４日の全休日朝、昨晩の雨の匂いが残る栗東トレセンで五十嵐助手が力強い言葉を口にした。

「年明けからここを使いたくて、（つばき賞は）勝つことよりも勉強だと思って、折り合いをつけることが目的でした。ここを勝って皐月賞に行きたいです」

２走前、朝日杯ＦＳは出遅れて後方からになったが、直線で鋭くインを突いて４着。そして前走、つばき賞（１勝クラス）は、スローペースで前残りの展開だったが、中団あたりでしっかり我慢を利かせて２着。折り合い面の心境を見せるとともに、メンバー最速タイの上がり３ハロン３２秒９を披露して強烈なインパクトを残した。


「ゲート入りが悪くて他の馬に迷惑をかけてしまって…。それ以外に関しては道中で力みもあったけど、しまいの脚を使えたし、次につながる内容でした」と同助手は前を向く。

この中間は前走後にゲート再審査を課せられたこともあり、追い切りと並行してゲート練習を消化。「安定してきていますし、普段通りなら（１６日の再審査は）大丈夫だと思います」と五十嵐助手は言う。もちろん、ひと叩きされたことで動きは申し分ない。１０日の１週前追い切りは、福永騎手が乗って栗東ＣＷコースで単走。落ち着いた小気味いい走りで５ハロン７２秒９―１２秒５をマークした。「折り合いもしっかりついて、福永騎手も『コツをつかんできた』と言ってくれています。気配はすごくいいですし、一度使ったことで手先も強くなっていますね」と上昇ムードを伝える。

近親に２０１７年の皐月賞馬アルアインがいる血統だが、現状は１勝馬で賞金４００万円。皐月賞（４月１７日、中山、ＧⅠ、芝２０００メートル）に参戦するには３着以内に入って優先出走権を獲得することが絶対条件だ。「小さいけどバネは素晴らしいものを持っているし、トップスピードに乗る加速力がすごい」と五十嵐助手は素質の良さを信じてやまない。成長度が目を見張るアルナシームがトライアルを突破し、ＧⅠの舞台で旋風を巻き起こす。（増本隆一朗）

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