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春のGⅠ戦線がいよいよ開幕。と同時に、期間限定でお送りしているこのコーナーも復活することになりました。今週の高松宮記念から6月4週目の宝塚記念まで、GⅠ開催週の金曜日に注目のウマニティ公認プロをピックアップし、レースに対する大まかな見解を語ってもらいます。じっくりとお楽しみいただき、予想の参考になさってください。
2012年春のトップバッターは、伊吹雅也さんです。現在公開中の『プロ予想家の表と裏』でも紹介しているように、ここ最近の予想は絶好調。加えてこの高松宮記念は、彼の予想家人生で最高配当の的中を記録したゲンのいいレースでもあります。今回登場してもらうのに打ってつけの人物に、金曜日時点での見解を披露してもらいましょう!
■このレースの印象・思い出などはありますか?
先日取り上げていただいた『プロ予想家の表と裏』でもあげていますが、やはりスズカフェニックスが勝った2007年の高松宮記念は印象深いですね。実はこのとき、私はある放送局で裏方のアルバイトをしている最中だったんです。レース中やゴールの瞬間はおとなしくしていましたが、その後「実は当てちゃいました!」と告白して、同じフロアで作業をしていた方全員にドリンクをおごりました。興奮のあまり、業務終了までモチベーションを保つのが大変だったのをよく覚えています(笑)。
■ズバリ、今年のこのレースの鍵を握る馬は?
やはり5連勝中のロードカナロアでしょう。強い馬だとは思いますし、『JRAホームページ』内「今週の注目レース」に寄稿した“データ分析”と照らし合わせても、前走で崩れなかった点や出走メンバー中1位の上がり3ハロンタイムをマークした点は高く評価できます。
ただ、ロードカナロアがステップレースに選んだシルクロードSは高松宮記念と直結しないレースなんですよね。直近10回の高松宮記念に出走した馬のうち、同年のシルクロードSで連対していた馬は19頭いますが、そのうち高松宮記念でも連対を果たしたのは2008年1着のファイングレインしかいません。両レースで求められる適性はまったく違うのでしょうし、そもそも施行時期が約2カ月離れているハンデ戦の結果はなんの参考にもならないのだろう―――と解釈することもできます。
中京競馬場がリニューアルされたぶん、求められるレース適性は例年と違ったものになる可能性もありますが、ゴール前の直線に急坂が設けられた点を勘案すれば、シルクロードSとの関連性はさらに薄くなると考えるほうが自然です。ロードカナロア自身にとっても、ゴール前の直線に急坂がある芝1200mは未知の舞台ですので、難しいレースになるんじゃないですかね。
■堅く収まるか、それとも荒れると思いますか?
直近10回の連対馬20頭中、JRAのGⅠで3着以内に入った経験のなかった馬は4頭しかいません。今年もカレンチャン、グランプリエンゼル、サンカルロ、ジョーカプチーノといった実績馬がエントリーしていますので、ビッグレースで好走経験のない馬が優勝争いに食い込む可能性は低いと思います。配当はともかく、「冷静に振り返れば順当だった」という結果になるんじゃないでしょうか。
■とっておきの穴馬を1頭教えてください。
今開催の中京芝1200mは先行馬が大不振です。また、人気薄で好走した馬の大部分は6~8枠に入った馬となっています。こうした傾向を加味すると、面白そうなのはダッシャーゴーゴーですね。JRAのGⅠで2位入線の経験がある実績馬ですし、休養明け2戦目の今回はもう少し動けると思います。本命にするのはちょっと怖いですが、積極的に買ってみたい1頭です。
■リアルでいくらくらい儲けることを目指しますか?
いくら儲かるかはオッズ次第ですし、目標金額に合わせて投入金額を増やすようなことはないのですが、チャンスがありそうなら2007年の高松宮記念を超えられるような目も買ってみたいと思っています。『プロ予想家の表と裏』でお話した通り、このときは親兄弟を招待して『麤皮』に行ったんですけど、その後もちょくちょく「次はまだか」「今度は『すきやばし次郎』に行きたい」と催促されているんですよ。恒例化したらたまったもんじゃないので連れて行く気はありませんが(笑)、行こうと思えば行けるくらいに儲かるといいですね。
わかりやすく、的確。真っ先にそんな印象を受ける、伊吹さんの解説でした。レース傾向をしっかり分析していることがうかがい知れ、なるほどと思える点が多かったですね。レースを検討する際の大きな参考になりそうです。そして、伊吹さんといえば“ザ・カンフルジョッキー”。レース傾向に加え、出走馬と騎手の相性を加味して導き出される伊吹さんの最終結論は、レース当日のプロ予想MAXにてご確認ください!