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第47回アルゼンチン共和国杯(8日、東京11R、GII、3歳上OP国際、ハンデ、芝2500メートル、1着本賞金5800万円=出走18頭)単勝11番人気のミヤビランベリが、57.5キロのトップハンデを乗り越えて逃げ切り、重賞4勝目を挙げた。2分30秒9(良)。吉田隼人騎手(25)=美・フリー=は昨年の福島牝馬S(マイネカンナ)以来の重賞5勝目。2着に4番人気アーネストリー、3着に10番人気ヒカルカザブエで3連単は92万馬券。1番人気ジャガーメイルは5着に終わった。
重賞未勝利馬が上位人気に支持された東京芝2500メートルの消耗戦は、同舞台の目黒記念など重賞3勝のミヤビランベリが地力の違いで快勝。11番人気の低評価を覆し、57.5キロのトップハンデを克服して4つ目のタイトルを獲得した。
「ハナにはこだわってなかったが、いいスタートが切れたのでそのまま行かせた。道中もいいリズムでこのまま行ければと思っていた」
殊勲の吉田隼人騎手が振り返る。前半5ハロンの通過タイムが62秒0。この時点で後方待機組には厳しい展開。後続に脚を使わせながら、自身は勝負所で上手に息を入れて直線へ。ランベリは、いったんはアーネストリーに前へ出られたが、残り1ハロンから粘りを見せて内から差し返す。ゴールでは1馬身差をつけ格の違いでねじ伏せた。「(ランベリが)しぶといのは分かっていたし、最後は根性で差し返してくれた。きょうは馬のおかげです」。吉田隼はパートナーに労いの言葉をかけた。
芝2500メートルは初勝利の中京戦を含めて3戦3勝。東京はいずれもGIIで連勝だ。デビュー3戦目を前に右前肢の繋部を骨折。患部にボルトを埋め込んだまま力走するランベリに関係者も頭が下がる思いだ。
「きょうは随分落ち着いてイレ込みもなかった。骨折があって本格的に競馬をし始めたのが5歳だから馬はまだ若い。今までの経緯からも間隔を十分開けた方がいいので、使うならJCよりも有馬記念(12月27日、中山、GI、芝2500メートル)。とりあえず1、2週間ほど状態を見てから考えたい」と加藤敬二調教師はグランプリ挑戦も口にした。
晴雨兼用で左右の回りも馬場状態も不問のミヤビランベリ。暮れのGP決戦に体調を整えて出てくれば、怖い1頭になりそうだ。(片岡良典)