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最終週を迎える中京の日曜メーン、サマーマイルシリーズ第1戦のGIII中京記念(芝1600メートル)に昨年の覇者フラガラッハが出走する。近況不振ながら、舞台替わりは好材料。7日に死亡した父デュランダル譲りの切れ味で、復活ののろしをあげるか。
思い出の地で復活の足がかりをつかむ。昨年の覇者フラガラッハが、1年ぶりに中京マイルの舞台に立つ。
「馬場が荒れて時計がかかるようなら、チャンスがあるかも。何とかよみがえってほしい」
松永幹調教師が願いを込めた。昨年は4コーナー最後方から直線だけでライバルたちをごぼう抜き。メンバー最速の上がり3ハロン34秒7の末脚を発揮して重賞初Vを飾った。しかし、その後は6戦して2桁着順が5回。前走の京王杯スプリングCもスタートで後手に回り、15着に敗れた。
「去年は米子Sを勝って(中京記念に)向かったけど、今年はもうひとつ乗り切れていないからね」とトレーナーは慎重ながら、「はまればいいところはある。中京の時計のかかる馬場は合っていそうだしね。昨年勝っているレース。外差しで展開が向いてどれだけ脚を使ってくれるか」と覚醒に期待する。今の中京は外差しが決まる馬場だけに、チャンスは十分あるはずだ。
10日の栗東での1週前追い切りは、坂路単走で4ハロン54秒1、ラスト1ハロン12秒5をマーク。全体の時計は目立たないが、しまいはしっかり伸びていた。「もう少しやってもよかったけどね。動きはまずまずだった」と指揮官も合格点を与えた。
2003&04年マイルチャンピオンシップ、03年スプリンターズSとGIを3勝した父デュランダルが、7日に14歳の若さで死亡。爆発力ある末脚はまさに父譲りといえるだろう。トップハンデ57キロだが、昨年と同じ斤量で実績もある。フラガラッハが、まだ切れ味がさびついていないことを証明し、天国の父に勝利を報告する。 (渡部陽之助)
■サマーマイルシリーズ 中京記念、関屋記念(8月11日、新潟)、京成杯オータムH(9月8日、中山)のいずれもGIIIの芝1600メートルの重賞3レースを対象にポイント制で争う。1勝以上、12点以上の馬の中から得点最上位が優勝。同点の場合は、上位着順の回数が多い方を上とし、その回数も同じときはそれぞれが優勝。初年度の昨年は優勝馬は出なかった。優勝馬陣営には3000万円が贈られる。
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