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第73回菊花賞(21日、京都11R、GI、3歳オープン国際、せん馬不可、馬齢、芝・外3000メートル、1着本賞金1億1200万円=出走18頭)圧倒的な1番人気に支持された内田博幸騎乗のゴールドシップが、2周目の向こう正面からまくって押し切る横綱相撲で優勝した。タイム3分2秒9(良)。皐月賞と菊花賞の2冠達成は2000年のエアシャカール以来、12年ぶり史上8頭目の快挙となった。2着には5番人気のスカイディグニティが食い下がり、ユウキソルジャーが3着に入った。
京都競馬場に詰めかけた観衆5万1952人がうなった。皐月賞馬ゴールドシップが、横綱相撲で2冠目を奪取。秋の柔らかい日差しを浴びてきらめく芦毛の馬上で、内田博幸騎手は満面の笑みを浮かべた。
「強いゴールドシップを見せなきゃ、という気持ちがあった。馬がよく走ってくれました」
単勝1・4倍と圧倒的な1番人気に応え、力でライバル17頭をねじ伏せた。
最内枠からスタートし、1周目は後方2番手を追走。2周目の向こう正面で、馬群の外から前に進出しだした。3コーナー過ぎで好位まで押し上げると、直線の入り口でスパート。早々と先頭に立った直線で後続馬の猛追を受けたが、抜かせない。最後は2着スカイディグニティに1馬身3/4差をつけてゴールだ。
「向こう正面から上がっていって、あれだけの脚を使える馬はいない」
内田博騎手は相棒の能力の高さに改めて感服。同時に、自らを支えてくれる人々のありがたさを思い起こしてもいた。
昨年5月に落馬で頸椎歯突起骨折の重傷を負い、一時は寝たきり状態に。復帰直後の今年2月、ゴールドシップと初コンビを組んだGIII共同通信杯で、完全復活を告げる重賞勝利をあげた。クラシック戦線もともに歩み、皐月賞、菊花賞で2冠達成。「いろんな方にいい恩返しができました」と感慨深げにうなずいた。今月には第2子が誕生。「生まれたばかりなんで、最低15年くらいはがんばらないとね」と笑った。
メモリアルの勝利でもあった。須貝尚介調教師はJRA史上最速で通算100勝を達成。「感無量。できすぎです」と喜びをかみしめた。
今後は馬の状態を見極めつつ、ジャパンC(11月25日、東京、GI、芝2400メートル)、有馬記念(12月23日、中山、GI、芝2500メートル)で並みいる古馬に挑戦する。
「後ろから来られても抜かせない本当に強い馬。古馬相手にどれくらいやれるか楽しみです」と内田博騎手。“黄金の船”ゴールドシップは歩みを止めない。3歳世代最強馬として新たな栄光をつかみにいく。(川端亮平)
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