第５９回サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス（９日、阪神１１Ｒ、ＧＩＩ、４歳上牝馬オープン国際（指）、別定、芝・外１６００メートル、１着本賞金５５００万円、１着馬にヴィクトリアマイルの優先出走権＝出走１３頭）ミルコ・デムーロ騎乗で２番人気のスマートレイアーが逃げ切って、重賞３勝目をあげた。タイム１分３３秒１（良）。同レースは２０１４年以来２勝目。次は優先出走権を得たヴィクトリアマイル（５月１５日、東京、ＧＩ、芝１６００メートル）で、ＧＩ初制覇を狙う。１番人気のミッキークイーンは２着だった。

　桜が舞う青空の下、白い馬体を弾ませた。６歳馬スマートレイアーが鮮やかな逃げ切りＶ。ＧＩ馬４頭が集結した強力メンバーを完封し、一昨年に次ぐサンケイスポーツ杯阪神牝馬Ｓ２勝目を飾った。

　「強かったね。すごく元気があった。去年のエリザベス女王杯（５着）は（騎乗停止中で）騎乗できませんでしたが、いい馬だと思っていた。スタートはいい感じだったし、最後までよく伸びました」

　この日の５勝目を重賞で決めたＭ・デムーロ騎手が会心の笑みだ。前半８００メートル４７秒１のスローに持ち込んで直線へ。最後はミッキークイーンの猛追をクビ差しのいで、重賞３勝目のゴールを駆け抜けた。

　前走の東京新聞杯を逃げてＶ。それまでの後方一気から脚質を転換して新味を見せ、大久保調教師は「前走の経験が大きいね。安心して見ていられました」とほおを緩めた。

　次はヴィクトリアマイルへ。過去２年は８着、１０着と敗れているが、内回り１４００メートルから外回り芝１６００メートルに替わり、より本番に近い形となったサンスポ杯を制したことで、ＧＩ初制覇の期待が高まる。「体質が弱かった以前と違ってドシッとしているし、東京への輸送でもナーバスにならない。今のいい状態のまま持っていきたい」と指揮官は力を込めた。

　新しいスタイルを手に入れたスマートレイアーが、ビッグタイトルを視界にとらえた。　（渡部陽之助）

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