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昨年の借り、きっちり返済します!! 天皇賞・春の枠順が30日午後に確定し、アサクサキングスは〔8〕枠(17)番を引いた。1番人気で挑んだ昨年は3着に敗退したが、今年は前哨戦を含めGII連勝中の充実ぶり。同日朝に栗東トレセンでの追い切りに騎乗した四位洋文騎手も「今年こそは!」と闘志を燃やす。Vなら世界最高峰レース凱旋門挑戦プランもあり、夢の実現に向けて陣営も気合十分だ。
5歳の今年は受けて立つ! 一昨年の菊花賞馬アサクサキングスが2度目の天皇賞・春に向けて終い重点ながら切れのあるフットワークを披露した。
主戦の四位洋文騎手を背に栗東DWコースをひと回りキャンターで流した後、5、6馬身ほど先を進むヒラボクロイヤル(牡5、オープン)を目標にする形で序盤はゆったりと進む。直線でも鞍上の大きなアクションはなかったが、スッと半馬身前に出てゴール。6ハロン87秒0-70秒1-54秒7-40秒0-12秒2と時計が遅いため、スタンドから見届けた報道陣からは“軽すぎるのでは?”との疑問の声もあった。
その点について、四位騎手は「きょうは前に1頭馬を置いて、いい形でフィニッシュできるようにと言われていた。(時計的に)物足りないと思うかもしれないが、終いは本当に良かった」と不安を吹き飛ばした。
前走の阪神大賞典は苦手の重馬場と阪神の芝を克服して快勝。大久保龍志調教師は「精神的に切れることなく最後まで走れていた。古馬になって年相応の落ち着きが出てきたし、体質的にもしっかりしてきた」と成長ぶりに感心する。
タフなレースだった反動に関しても「京都記念の後より長く休みをとったが、1カ月半ほど間隔があったのでその後は順調にこれた。JRAからお願いされてつけたハートレートモニターでも先週の時点で、いい数値が出ていると診療所から言われました」と好状態を伝える。枠順は〔8〕枠(17)番に決まったが、「外からかぶされないからいい。それに昨年も〔8〕枠の馬(アドマイヤジュピタ)が勝ったから」と寺島良調教助手はプラスにとらえる。
前哨戦を快勝し、09年は2戦2勝だけに1番人気は確実だ。「マークされる立場だが、いい形で勝てれば。昨年は3着だったし、今年こそはという気持ち」と四位騎手は改めて気を引き締める。大久保龍師も「勝てばの話ですが、凱旋門(10月4日、仏GI、ロンシャン、芝2400メートル)も考えています」と夢プランの実現に力が入る。この1年で大きく成長したアサクサキングスが、堂々と春の盾をつかみに行く。(板津雄志)