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当企画のコンセプトにつきましては、コチラにてご確認ください。今週も“勝ち逃げ馬券師”新良武志氏に、注目の乗り替わりをピックアップしてもらいます。
※データは2020年以降の結果をもとに集計
編集部(以下、編) 先週に引き続き平地4重賞構成で、日曜日にはエリザベス女王杯と福島記念が行われます。さすがにここは、G1優先ということで。
新良(以下、新) はい。問題ありません。エリザベス女王杯には面白い乗り替わりがあります。
編 今回は15頭中8頭が乗り替わりなので、どれをチョイスするのかとても楽しみです。
新 実は近年のエリザベス女王杯は乗り替わり天国で、現在5連勝中となっています。しかも、そのうち3回がワンツー決着なんです。
編 それはすごい。このコーナーとしては、当然力が入りますね。
新 ここ5年を勝っているジョッキーは、モレイラ、スミヨン、ルメール、幸、C.デムーロというラインナップ。何か気づきませんか?
編 外国人騎手、それも短期免許の騎手が鍵になるということですね。
新 ご名答です。欧米のビッグレースが一段落して、日本に乗りにくるトップジョッキーが増える時期。だからこそ、このような状況になっているのでしょう。コロナ禍がなければ、ここにまた別の名前が加わっていたかもしれません。
編 もう、結論が見えたようなものではないですか(笑)。ジェラルディーナのムーア騎手ですよね?
新 いえ、違います。
編 じゃあ、サリエラのマーカンド騎手ですか?
新 それも違います。
編 ええ!? 残る外国人騎手は通年免許で、しかも継続騎乗ですが……。
新 私は、外国人騎手が活躍していることは指摘しましたが、今年も外国人騎手を狙うとはひと言も口にしていませんよ(笑)。
編 なるほど、そういうことなんですね(苦笑)。では、お待ちかねの結論をお願いします!
新 横山武史騎手から松山弘平騎手に乗り替わる②ルージュエヴァイユに注目しています。
編 外国人騎手の陰に隠れて目立ちませんが、日本人のトップ騎手同士の乗り替わり。通常なら大注目のパターンです。推奨根拠を教えていただけますか?
新 何より強調したいのが、松山騎手のコース適性ですね。改修後の京都の特徴をしっかりつかんでいるようで、芝2200mでは勝率22.2%、単勝回収率942%を記録しています。
編 それはすごすぎますね。回収率がそれだけ高いということは、穴馬を持ってきているケースもけっこうあると?
新 はい。人気にかかわらず、コンスタントに好走しています。これなら、関東の横山武騎手より、関西の松山騎手のほうが、信頼できるというものでしょう。
編 その数字を見せられたら、まったく異論なしです。馬のほうはいかがですか?
新 いわゆる非根幹距離が得意なタイプで、その点においては、千八実績に秀でていた昨年のジェラルディーナに似ています。2200mは初ですが、おそらくこなしてくれるだろうし、適性もあるのではないかと。もともと素質は高く評価されていた馬ですしね。
編 ここ2戦は、重賞で連続2着と安定感を見せています。
新 不利な展開かつ異なる位置取りで好走しているので、非常に内容は濃いです。叩き2戦目でパフォーマンスを上げてくるケースが目立ちますし、さらなる上昇に期待できるのではないでしょうか。
編 好メンバーが揃ったので、買いごろのオッズを示してくれそうですね。
新 勝てずともしっかり上位着に来るタイプですから、必ず買い目には入れておくべきです。松山騎手の好騎乗に期待しましょう!
★その他の注目乗り替わり★
京都9R ⑤ウールデュボヌール(ルメール→川田将雅)
東京10R ⑦カナテープ(松山弘平→モレイラ)
福島11R ⑥ホウオウエミーズ(吉田隼人→田辺裕信)
【プロフィール】
新良武志(しんら・たけし)
かつてはどこにでもいる競馬ファンの1人だったが、データベースソフト【TARGET】との出合いを経て、眠っていた馬券師としての素質が開花。騎手・種牡馬にウマニティU指数を組み合わせた独自のデータ活用術を考案し、常勝スタイルを確立させる。2015年秋にメディアデビュー。雑誌、WEBを中心に精力的に予想家活動を行っている。著書に『毎日コツコツ勝ち逃げリーマン馬券術』(ベストセラーズ)、『ジョッキー未来予測2019』(秀和システム)。