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スプリンターズSの「私のチェックポイント」3日目は、東京サンスポの三浦凪沙記者が、キーンランドC7着から巻き返しを期すキミワクイーン陣営を直撃。前走は札幌でダート中心の調教しかできなかったが、美浦Wコースで乗り込まれている今回は上積みがあるのか? 最終追い切りに熱視線を送った。
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函館スプリントSでの鮮やかな差し切りが忘れられないキミワクイーン。前走のキーンランドCは7着でしたが、馬場が悪い中、内枠を引いてしまったことに加え、札幌に滞在した結果、ダート調教では負荷が足りなかったことも影響したようす。敗因は明らか。この中間は美浦Wコースで調整を重ねており、状態は上がっているのか―。まずは注目の追い切りをチェックしました。
フリートオブフット(2勝)を4馬身ほど追走してスタート。抜群の手応えで直線に向くと、一杯に追われた相手に対して、内から馬なりのままスッと加速して1馬身先着。5ハロン65秒6―11秒8の好時計はもちろん、活気に満ちあふれた動きには目を見張るものがありました。
ここまでの調整について奥村武調教師は「先週はジョッキー(横山武騎手)にゴール前の反応を確かめてもらい、いい反応を見せてくれました。今週は遅くなりすぎず、かつ、やりすぎないように。この馬自身はかなりいい状態でレースに臨めると思っています」と満足そう。状態は札幌より上がっているのは明らかで、反撃の態勢は整ったとみてよさそうです。
そして、何より目を引くのが馬っぷりの良さ。春先に美浦トレセンで見たときより数段ボリュームアップしているように感じました。トレーナーは「夏以降、すごく充実してきて、肉付きもすごく良くなっています。春先はまだ非力さが抜けない状況で中山の坂で脚が鈍るところがありましたが、力をつけてきて、函館スプリントで新たな脚質を見せてくれたので、しまいを生かす競馬をすれば坂を克服できるのでは」と成長を感じています。4月に同舞台の春雷Sで2着に敗れていますが、春以上の走りを見せてくれるでしょう。
先行馬がそろい、激流が予想される今回。差し馬に向く展開になれば…。パワーアップしたクイーンの末脚がはまる予感がしてきました。(三浦凪沙)