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宝塚記念の俺のチェックポイント4日目は、大阪サンスポの増本隆一朗記者が昨年のジャパンCを制したヴェラアズールに注目。近2走の敗因を取材するとともに、キャリア初となる内回りコースに対応できるのかを探った。
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昨年のジャパンCで国内外の強豪を撃破したヴェラアズールに注目したい。近2走は有馬記念10着、ドバイワールドカップ13着。昨秋の快進撃を思えば、噓のような成績だ。何かはっきりとした原因があるはず。土砂降りの雨の中、樫原助手のもとへ向かった。
「有馬記念は前走の疲れが取れ切っていなかったし、雪の影響で輸送が大幅に遅れる不測の事態がありました。前走は輸送疲れがあり、レース直前に状態が上がってきた感じでした。向こうのダートも合わなかったですね。不完全燃焼です」
やはり敗因は明確だった。今回は近場の阪神で輸送リスクが軽減されるし、見直せる余地は十分。巻き返しがあっていい。
中間は1カ月前にトレセンに帰厩し、入念に乗り込んできた。21日の最終追いはドバイ遠征で追い切りパートナーを務めた福永調教師を背に、CWコースで6ハロン82秒2-11秒3。大きく雄大なフットワークに好気配を感じた。「祐一さんは『悪くはないよ』と言ってくれました。きょうは引き運動での調整。いつも落ち着いている馬ですが、いい意味でピリッとしてきました」と同助手。福永調教師に〝やる気スイッチ〟を押してもらって戦闘モードに突入。力を発揮できる状態だ。
ただ、気になるのは芝での4勝は阪神外回り&東京コースで、身上の切れ味鋭い末脚を余すことなく発揮できる直線が長いコースだということ。器用さが求められる内回りに対応できるのかは気になるところだが、樫原助手は「乗り役もその辺りは分かってくれていると思うし、スッと出れば前めから中団の位置を取れるはず。折り合いさえつけば最後はいい脚を使ってくれるので」と意に介さない。
この日決まった枠順は❹枠⑧番。渡辺調教師は「いいんじゃないですか。外じゃなければいいと思っていました。前に壁を作ってためを利かせて運びたいですね」と本番をイメージした。
調整は順調で内回りコースへの対応も可能。JC馬の復活がありそうだ。