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札幌記念の追い切りが17日、札幌、函館両競馬場で行われた。函館では、昨年の年度代表馬モーリスが、芝コースでの3頭併せで貫禄の最先着。サンケイスポーツ調教評価で最高の『S』をゲットした。手綱を取ったジョアン・モレイラ騎手(32)=ブラジル出身、香港拠点=は、2000メートル戦への対応に自信をのぞかせた。札幌では、ヌーヴォレコルトが芝コースでの併せ馬で悠々と先着した。
函館の低い空から降り注ぐ雨粒を力強くはねのけた。芝コースで3頭併せを敢行したモーリスが、余力十分に僚馬を完封。札幌から駆けつけたモレイラ騎手は、笑顔で好感触を明かした。
「走りっぷりよく力強く上がっていけて、直線はゴールまですごい脚だった。だんだんよくなってきているみたいで、当日は香港(手綱をとったチャンピオンズマイル)よりいい状態になっているんじゃないかな」
先行するウムブルフ(1000万下)を1馬身追いかけ、ネオリアリズム(OP)を従える形でスタート。序盤は折り合いを確認しながら進み、3コーナー過ぎから徐々にペースを上げる。直線入り口でウムブルフを内からかわして前に出ると、ギアを上げて加速。5ハロン62秒4、3ハロン34秒5-11秒6を計時し、最後は最内で食い下がるネオに半馬身先着。年度代表馬の貫禄を示した。
今回は2000メートル戦で一昨年5月の京都新聞杯(芝2200メートル=7着)以来の中距離戦。折り合いがいつもより重要となる。1週前追い切りでは抑えきれない手応えで回ってきたが、最終追い切りはきっちり折り合って中距離仕様の走りを披露。
鞍上は「コントロールできていて、改めて距離は問題ない。前に馬を置ければリラックスして走れる。日本の競馬のペースならこの馬がハナを切ることはないだろうしね。2000メートルはもつ自信がある」と太鼓判を押す。
さらに、香港の名手は「小回りの札幌はレースの流れが複雑で、最終コーナーや直線が混み合うけど、詰まらないように導くのが自分の仕事。いつものモーリスが登場すれば、いい勝負になるよ」と自信たっぷりだ。
短期免許1週目の先週に札幌で5勝(19回騎乗)した“マジックマン”がほれ込むモーリスが、2000メートルでもライバルたちを圧倒する。 (川端亮平)
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