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阪神の土曜メーン、GIII毎日杯(芝1800メートル)には、皐月賞(4月14日、中山、GI、芝2000メートル)を目指す素質馬が顔を揃えた。注目はディープインパクト産駒のコメットシーカーだ。1戦1勝とキャリアは浅いが、能力、センスとも非凡。重賞初制覇を飾って、クラシックへの夢をつなげたい。
期待の良血がクラシックへ羽ばたこうとしている。底知れぬポテンシャルを秘めるコメットシーカーが、毎日杯で重賞初制覇を狙う。
「レースセンスがいいし、気性面もしっかりしている。デビュー戦であれだけの脚を使ってくれたし、身体能力が高い。かなり楽しみだよ」
田代調教助手の口調から大物ぶりが伝わってくる。父がディープインパクト。母ガヴィオラが米GIガーデンシティBCH(芝9ハロン)の勝ち馬という血統馬は、昨年12月中旬に栗東へ入厩し、2月の新馬戦(東京、芝1800メートル)で輝きを放った。
前半の1000メートル通過が62秒3というスローペースを苦にせず、好位の内でしっかり折り合い、上がり3ハロン33秒7と極上の瞬発力を披露した。手綱を取った福永騎手は「うまく流れに乗れ、ハミを抜きながらリラックスして走れた」と初陣の走りを高く評価した。
この中間は厩舎で調整。13日の1週前追い切りで6ハロン85秒4、ラスト1ハロン12秒8を馬なりでマークした。デビュー当時よりも、フットワークは力強くなった。「反応が良かったし、順調に仕上がっている。今回は右回り、当日輸送と課題があるが、メンタル面のしっかりした馬だからね」と田代助手は重賞挑戦にも臆するところがない。
1着になれば本賞金は2250万円となり、皐月賞に出走が可能となる。前週のフラワーCを1戦1勝のサクラプレジールが制したように、この時期の3歳重賞は能力の高さがモノをいう。コメットシーカーが、クラシックへの道を自力で切り開く。(森田実)