１週間の密着取材で勝ち馬を探し出すサンケイスポーツＧＩ企画『東西現場記者走る』は、２週連続で的中と絶好調。ジャパンＣは、東京サンスポの千葉智春記者（３２）が担当する。結論を翌日に控えた５日目は栗東トレセンで日本勢の代表格キタサンブラックに注目。前哨戦から最終追い切りまで、その調整過程にはみじんも不安は感じられない。レースへの手応えを清水久調教師から聞き出した。

　２５日朝の栗東トレセンは気温３度と前日を上回る寒さ。それでも日差しがあるぶん安らぐ。心を落ち着けて、キタサンブラックの動向を追った。

　天皇賞・春Ｖを含め、今年は４戦２勝２着１回３着１回。前につけて粘り強く、確実に勝ち負けに加わる様は、古馬のエースとしての風格が漂う。秋初戦の京都大賞典を制して、最終追い切りも併せ馬で堂々と先着。レースに向けて万全ムードだが、その状態を、結論までにつかんでおきたかった。

　午前７時の開門からほどなくして坂路へ。脚取り良く４ハロン６９秒９をマークし、翌日の輸送に備えた。「雰囲気は変わらずいい。本当に何事もなく順調に来た。不安な点は何もない」と清水久調教師は仕上がりに自信の笑み。木曜に計量した調教後の馬体重は前走時と同じ５３８キロだったが「輸送しても大体同じくらいになるから、問題ないよ」と余裕たっぷりだ。

　昨年のフジテレビ賞スプリングＳ制覇時が、過去最低の５０４キロ。そこから昨秋に５３０キロ台まで増え、体つきはますますたくましくなっていく。それでもトレーナーは「背も伸びて幅も出て、全てが成長分。ただ、トモ（後肢）のあたりとかはまだ筋肉が乗っかってきそう」と、さらなるビルドアップを見込む。末恐ろしい成長力だ。

　降雪に見舞われた東京の馬場について問われても「日曜の雨は後半かららしいね。きょう、あすと晴れて雪もすぐ解けるだろう。宝塚記念のときは稍重発表でも結構掘れていたし、その中で頑張ってくれた。道悪は大きなマイナスにならない」と笑顔で返ってくる。全く心配していない様子だ。

　宝塚記念のときが究極の仕上げに感じていたが「宝塚のときも今回も満足のいく状態だよ。これで負けたら、しようがない。そのくらいの状態」とトレーナー。日本の代表格は盤石の態勢で東京へ乗り込めそうだ。

　土曜は関西馬の到着取材で東京競馬場へ。懸念される馬場状態や展開を考慮して、結論を出す。

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