競馬ニュース > 記事
昨年のダービー馬でキングカメハメハに次ぐ史上2頭目の変則2冠(NHKマイルC→ダービー)を制したディープスカイ(栗・昆、牡4)が、左前浅屈腱炎を発症していたことが判明し、現役を引退することになった。19日に昆調教師が札幌競馬場で明らかにした。
ディープスカイは宝塚記念3着後、凱旋門賞挑戦は断念して、秋は国内に専念することになり、北海道日高町のファンタストクラブへ放牧。始動戦は毎日王冠に決定し、今月8日に函館競馬場に入厩して、調整を進めていくことになった。しかし、函館入厩の2日前、左前脚に熱を持って屈腱炎の症状が出ていることが判明。それでも予定通り入厩し、懸命な治療が続けられたが、12日の検査で左前脚浅屈腱炎の診断が下された。19日まで発表が遅れたのは、オーナーサイドと引退後に関しての協議に時間を要したため。
「(腱の損傷率は)11%です。普通の条件の馬なら復帰させるが、(アグネス)タキオンの急死があって、この馬には種牡馬としてかかる期待が大きいですから」
昆師は沈痛な表情で引退の決断の経緯を話した。通常損傷率が20%を超えると即引退といわれる。11%は全治に9カ月から1年。復帰は不可能ではないが、6月22日に急性心不全で死亡したアグネスタキオンの後継馬として、ディープスカイにかかる期待は大きく、現役続行を断念した。引退式は30日に札幌競馬場で行われる予定。種牡馬としての繋養先は北海道日高町のダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスが候補に挙がっているが、シンジケートなどの詳細は今後決められる。