競馬ニュース > 記事
札幌2歳ステークス(9月3日、札幌、GIII、芝1800メートル)には、来春のクラシックを目指す精鋭が顔をそろえた。インヴィクタは札幌が得意のハービンジャー産駒で、デビュー戦は気性面の幼さを見せながらも、しぶとく勝ち切った。近親にGI2勝のヴィルシーナがいる良血馬でもあり、レースぶりに注目が集まる。
馬名はラテン語で「無敵」。元メジャーリーガー、佐々木主浩オーナーの期待どおりに初陣を快勝したインヴィクタが、札幌のラストを飾る2歳GIIIに登板だ。
8月7日の札幌でのデビュー戦は、佐々木オーナーが「地獄から天国でした」と振り返る一戦だった。装鞍所から馬っけを出し、レースでは出遅れたうえに物見をして進んでいかない。ペースも5ハロン通過が1分4秒4の超スローだっため、万事休すと思われたが、ようやく後半から本領を発揮。3コーナー過ぎから馬なりのまま一気にまくって2番手まで上がり、2着馬を叩き合いの末にクビ差競り落とした。
前走後は短期放牧を挟み、函館競馬場で乗り込んでから札幌へ移動してきた。担当の山田助手は「性格は子供だけど、走り出すと集中してくれるね。1回使って体に芯が入って、どっしりしてきた感じ」と上積みを強調。さらに「ゲートは他の馬が気になって出なかっただけで、今度は五分に出てくれるはず。競り合いになると良さが出るので、出走馬のレベルが上がるのも逆にいいね。この時期の2歳では上位の力を持っていると思う」と好勝負を見込む。
近親にヴィルシーナ(2013、14年ヴィクトリアマイル連覇)がおり、佐々木オーナーの思い入れの深い血統馬。さらに父ハービンジャーも14年以降、産駒が札幌芝1800メートルで8勝と種牡馬別でトップの数字をマークしている。血統的な後押しも得たインヴィクタが、札幌2歳王者に輝く。 (板津雄志)
★札幌千八で好成績
ハービンジャー産駒は札幌の芝コースが得意 ハービンジャー産駒の競馬場別の芝の勝率は、札幌が11・9%(13勝)と最も高い。なかでも札幌芝1800メートルとは相性が良く、【8・4・3・25】の好成績(産駒がデビューした2014年以降)。勝率は20%に跳ね上がり、8勝は6勝のディープインパクト、キングカメハメハを抑えて最多勝となっている。
★札幌2歳Sの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載