サマースプリントシリーズ第５戦・キーンランドＣの追い切りが２５日、札幌、函館の両競馬場で行われた。札幌では３歳牝馬メイケイエールが芝コースでラスト１ハロン１１秒７とシャープな動きを見せ、桜花賞１８着からの巻き返しへ態勢を整えた。また、東西トレセンでは新潟２歳Ｓの追い切りが行われ、美浦ではアライバルが坂路で好タイムをマークした。

　スラリと伸びた四肢で上品にリズムを刻んだ。初対戦で年長馬撃破を目指すメイケイエールは、札幌芝コースで単走追い。小雨混じりの悪天候下でも好馬体を躍動させ、しまい重点に４ハロン５２秒９－１１秒７で駆け抜けた。

　「いいですね。気持ちの面を確認したかったけど、本当にいい雰囲気で落ち着いている。（札幌に）入った当初は環境の変化で１５キロくらい減ったけど今は４７８キロ。カイ食いが良くて、回復分以上に増えてくれた」

　追い切り後のゲート駐立練習も間近で確認した武英調教師が、力強くうなずいた。

　前走の桜花賞はガツンと行きたがり、制御不能となって１８着大敗。仕切り直しの一戦へ、１９日の札幌で武豊騎手を背に平地調教再審査をクリアした。桜花賞はけがで乗れなかった名手は、「もともと気が悪い馬ではないし、心配はしていなかった。さすがのフットワークだったし、ポテンシャルは一級品。競馬では前半から全力で走るので油断できないけど、１２００メートルならセーブしやすい」と復権への手応えをつかんでいる。

　天性のスピードを生かせる芝６ハロンは２戦２勝。今回、その２勝を挙げる小倉の北九州記念ではなく、北の大地に矛先を向けたのは、次のステージを意識するからこそだ。

　「向こう（小倉）は暑いし、秋を見据えると少し厳しい。結果次第でスプリンターズＳへと思っています。古馬の速い流れの競馬で冷静になれる部分はあるかと思う。冷静に走ればモノが違うはず」と指揮官は大舞台への意欲をのぞかせる。３歳牝馬が席巻する夏。規格外の才媛も適舞台で再び輝きを取り戻す。　（内海裕介）

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