【香港８日＝川端亮平】ＪＲＡの海外馬券発売第４弾・香港国際競走（１１日、シャティン）の枠順が８日に決まった。４つのＧＩに出走する日本馬１３頭のうち１１頭が、この日に追い切りを消化。引退レースとなる香港カップ（芝２０００メートル）で世界中の注目を集めるモーリスも芝コースで軽快な動きを披露し、現地の関係者も高く評価した。

　師走とは思えないほど強い日差しが降り注ぐシャティンのターフを、さっそうと駆け抜けた。ＧＩ５勝馬モーリスが、ラストランに向けて、万全の仕上がりをアピール。見届けた堀調教師は、満足げにうなずいた。

　「雰囲気よく調教できていました。日本で仕上がっているので、こっちでは予定通りに調整できている。香港は３回目ということもあってリラックスできています」

　香港ヴァーズに出走する僚馬サトノクラウンに１馬身先行して４ハロンからスタート。ムーア騎手を背に柔らかみのあるフォームでスピードに乗り、追い上げてきた僚馬と馬体を併せると、馬なりのまま併入した。余力十分に４ハロン５５秒９－ラスト２ハロン２３秒６。鞍上も「ベリーハッピーホース」と短い言葉で感触を伝えた。

　３度目の香港で環境の変化にも動じず、先輩として僚馬２頭の先導役も務める。毛づやの良さが際立ち、状態は最高潮。香港ＧＩ２戦２勝の王者だけに、地元の関係者も一目置いている。

　シークレットウェポンのパートン騎手は「モーリスはすごくいい馬。世界で一番強い馬じゃないかな。僕の馬もいい状態だから勝てればいいけど、厳しいだろうね。モーリスがいるのは本当にバッドラック（不運）だよ」と肩をすくめた。２０１３～１４年シーズンに初の香港リーディングに輝き、日本でも１５年高松宮記念（エアロヴェロシティ）を制覇。日本と香港を熟知する名手が白旗を掲げるほどだ。

　ゲート番はほぼ真ん中の番と文句なし。国内外から断然の注目を集めるモーリスが、有終Ｖへ万全の態勢で挑む。

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