阪神ジュベナイルフィリーズに新馬、新潟２歳Ｓと２連勝のヴゼットジョリーを送り出すのが、新進気鋭の中内田充正調教師（３７）＝栗東＝だ。躍進著しい若手トレーナーを直撃し、初のＧＩ制覇への意気込みを聞き込んだ。　（取材構成・宇恵英志）

　－－無敗の２歳女王誕生の期待がかかる

　「デビュー前から楽しみにしていた馬で、期待通りに、ここまできてくれています。２戦ともに、言うことのない競馬ですね。マイルが一番合うタイプとみていますし、展開などがうまくかみ合えば、チャンスはあると思います」

　－－約３カ月ぶりの実戦を選択した

　「馬のタイプを見極めてのこと。前走後、すぐに直行の形を決めました。調教同様にレースに対して真面目。前向きな牝馬です。レースを使って上向くタイプではないですから、休み明けは気にしていませんよ。しっかりと体をつくっていれば、きっちりと力を出してくれるタイプです」

　－－１週前にＣＷコースで６ハロン８３秒８をマーク

　「（初騎乗の）和田騎手に感触を確かめてもらいました。この馬らしい、いい動きでしたね。放牧の効果でフレッシュな状態ですし、いい状態で出走できると思います」

　－－この馬の長所は

　「２歳馬にしては完成度が高く、賢い馬です。体のバランスが良く、走るセンスを持っています。乗り手に反抗したりしませんし、スパッとは切れませんが、長く脚を使えます。ゲートにも不安はありません。川田、福永騎手が勝たせながらレースを教えてくれたのは大きいですし、今のところ、注文をつける部分はありませんよ」

　－－ライバルは

　「ソウルスターリングを含めて全馬ですよ。今年の２歳牝馬はレベルが高く、層が厚い印象ですしね。今後、このメンバーと戦っていかなければならないので、紛れがない舞台のここで、力を測れると考えています」

　－－最後に抱負を

　「初の右回りは心配していません。長くいい脚を使えるので、直線が長い阪神の外回りは合っているでしょう。開幕２週目の良好な芝もいいと思います。相手は強いですが、来年の桜花賞のためにも、いい競馬を期待しています」

中内田　充正（なかうちだ・みつまさ）　１９７８（昭和５３）年１２月１８日生まれ、３７歳。滋賀県出身。実家は競走馬の育成を手がける信楽牧場。１６歳から海外へ渡り、英国の大学を卒業。米国では調教助手としてベルモントＳ優勝馬エンパイアメーカーなどに携わった。帰国後、ＪＲＡ競馬学校厩務員課程を経て栗東・橋田満厩舎で厩務員、調教助手。２０１２年に調教師免許を取得し、１４年に開業。通算６１勝で、今年は３１勝（６日現在）。重賞１勝。

★阪神ジュベナイルＦの特別登録馬（想定騎手入り）はこちら　調教タイムも掲載

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