第４回キーンランドＣ（３０日、札幌９Ｒ、ＧＩＩＩ、３歳上オープン国際、別定、芝１２００メートル、１着本賞金４１００万円＝出走１６頭）安藤勝己（４９）＝栗・フリー＝騎乗の２番人気ビービーガルダンが直線で抜け出して完勝。昨年２着惜敗の借りを返した。１分８秒４（良）。今後は昨年３着のスプリンターズＳでＧＩ初制覇を狙う。１番人気に推された函館ＳＳ優勝馬グランプリエンゼルは４位入線だったが、２位入線のモルトグランデが走行妨害で８着降着となり３着に繰り上がった。

　４カ月半ぶりの実戦もノープロブレム！　曇天を突き破るようなパワフルな走りで完封だ。ビービーガルダンが【２・２・０・１】と得意の札幌で躍動。昨年０秒１差２着に敗れたレースで雪辱を果たし、今春の阪急杯に次ぐ重賞２勝目を挙げた。

　好発から内のゲットフルマークス、ウエスタンビーナスを先に行かせて絶好の３番手をキープ。４コーナーで外から先行２頭をかわし、安藤勝己騎手が満を持して追い出すとグイッとひと伸び。ラスト１ハロンからは独壇場で、脚部不安のため函館スプリントＳを自重したうっぷんを晴らした。

　「中間の追い切りに跨った時から休み明けや脚元の不安は全然気にならなかった。スタートしてからもいい位置が取れたし、早く先頭に立つと遊ぶ面があるのでその辺りを気をつけていた。きょうは完勝だったし、能力の高い馬」とアンカツも相棒の力を再認識した。前週の札幌記念では断然人気のブエナビスタで２着に惜敗した職人は、しっかりと名誉挽回。目標とするスプリンターズＳ（１０月４日、中山、ＧＩ、芝１２００メートル）に向けても「いいスタートが切れたね」と満足そうだ。

　「４コーナーで行けると思ったよ」と領家調教師も笑顔で振り返る。「（函館ＳＳを）１回使えなかったのは少し不安だったが、札幌だと馬が喜んで走っているね」と愛馬の快勝に表情も緩む。

　アクシデント（左前肢打撲）明けでも重賞Ｖと結果を出したビービーガルダン。昨年はスプリンターズＳで３着に負けたが、この１年で心身ともに一段とパワーアップした。夏の札幌での重賞タイトルを手土産に今度は中山の舞台でＧＩ獲りだ。（片岡良典）

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