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今週は小倉でサマー2000シリーズ第3戦(全5戦)のGIII小倉記念が行われる。傑出馬不在で混戦模様となったハンデ重賞の注目はコスモプラチナ。暑い時期に調子を上げる“夏女”が、マーメイドSに続く重賞連勝を狙って出走する。
決して前走がフロックだったとは言わせない。得意の季節に照準を合わせたかのようにコスモプラチナが、今年も調子を上げてきた。マーメイドSで重賞初Vを飾った勢いに乗って、今度は真夏の小倉へ乗り込む。
「夏と冬とでは、毛ヅヤも馬体の張りも全く違う。夏場は馬に活気があるし、暑い時期に強いタイプなんだろうね。今回も期待は大きいよ」
増井調教助手が笑顔で好気配を伝える。6カ月の休養を挟み、今年の初戦にはGIIIマーメイドSを選択した。夏場が合うタイプ(7、8月に3勝)とはいえ、久々を嫌われて9番人気にすぎなかった。そんな低評価でマークが薄くなったこともあるが、道中は自分の形を崩さずマイペースの逃げ態勢。開幕週の絶好馬場も味方につけ、スイスイと逃走劇を完結してみせた。
「前走後は予定通り短期放牧へ出していた。帰厩後の(追い切り)本数は少ないけど、向こうでも緩めずに乗っていたので心配はしていない」
増井助手の言葉にも力が入る。15日に栗東トレセンに帰厩してからも順調にメニューを消化し、23日の1週前追い切りでは、CWコースで6ハロン81秒8を馬なりでマーク。もともと追い切りが少なくても平気なタイプで、半年ぶりだった前走時も同じパターンで結果を残している。
「牡馬が相手だからそれなりにマークされるだろうが、今回も後続を気にせず自分の競馬に徹するだけ。平坦コースも合うし、いまの小倉はスピードが生かせるからね」と増井助手は自信の表情を崩さない。
今年の小倉の芝は好時計を連発中。先週の雨の影響はあるかもしれないが、開幕3週目なら急激な馬場悪化はないはず。ハンデも1キロ増の54キロなら、想定内。さあ舞台は整った。“夏女”コスモプラチナが、磨きのかかった逃走ショーで夏の小倉を熱くする。(瀬戸聡)