今年はやや物足りないレースが続くが、グレープブランデーは昨年のジャパンダートダービーを制したれっきとしたＧＩ馬。流れひとつでチャンスは出てくる。

　栗東坂路で前半はウォーターデュークのペースに合わせるような感じだったが、３Ｆ目からペースアップすると脚力の違いは歴然。前日同様に力が要る走りにくい馬場にもかかわらず、気合をつけられたラスト１Ｆは１２秒６と伸びやかなフットワークを見せ、ウォーターを１秒１ちぎった。

　「しまい重点で、重い馬場を考えればラストはいい動き。状態は確実に良くなっている。斤量は５８キロから５７キロへマイナスとなるが、デキは逆にプラスだね」と、安田隆調教師はニッコリ。

　３連覇を狙う僚馬トランセンドとの“複数頭出し”は、安田隆厩舎得意のＧＩ必殺パターン。今春の高松宮記念は４頭出しでカレンチャンが優勝し、ロードカナロアが３着と馬券圏内に２頭。３頭出しだった秋のスプリンターズＳはロードカナロアとカレンチャンがワンツーを決めた。ＪＣダートもＧＩ馬２頭での挑戦だけに、快挙が３度起こっても不思議はない。

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