ＧⅠフェブラリーＳの前哨戦となる東海Ｓの追い切りが１７日、東西のトレセンで行われた。美浦ではオメガギネスがＷコースで鋭い伸びを見せ、調教評価『Ｓ』を獲得。４戦３勝、２着１回と底を見せていない明け４歳のホープが、重賞初制覇へ態勢を整えた。栗東では、坂路を力強く駆け上がったオーロイプラータに調教評価『Ｓ』がついた。

明け４歳の大器オメガギネスが、追い切りでも魅力を存分にアピールした。冬の朝日に栗毛の馬体を輝かせながら、美浦Ｗコースで切れのある脚さばきを披露。馬なりで鋭く伸び、先導役のオメガキャプテン（２勝）と併入した。ラスト１ハロン１１秒４（５ハロン６６秒７）は自己ベストで、調教評価は最上級の『Ｓ』だ。

「思っていた動きができました。レパードＳ（２着）のように伸び切ったフォームだと最後が甘くなるけど、前走のように走れればいい脚を使えます」

納得のいく動きに、手綱を取った戸崎騎手の表情も明るい。掛かり気味で前のめりだった２走前と違い、前走のグリーンチャンネルＣは上体を起こしてタメを作れたことで爆発力がアップ。手綱を抑える余裕すら見せながら、初対戦の年長馬を３馬身半ちぎった。今週の追い切りも、同様の理想的なフォームだった。


２歳６月に骨盤骨折の重傷を負ったにもかかわらず、キャリア４戦でオール連対と非凡な能力を示してきた。その一方、「それ（故障個所）をかばうから右トモ（後肢）が疲れやすく回復に時間がかかる」と大和田調教師が指摘するように、体質の弱さが残るのも確か。前走後は予定していた武蔵野Ｓに出走できず、休養を挟んだ。

だからこそ、陣営は一戦一戦に集中する。トレーナーは「レパードＳのときはやや慎重な仕上げで負けてしまったので、前走は〝ダメもと〟でしっかり仕上げました。今回もやるだけやって、目の前の目標を取りにいきます」と、ここに懸ける意欲を明かした。

「新馬を勝ったときから『この馬は（素質が）ちょっと違う』と感じました。使うたびにレース内容も良くなり、前走も強い馬のレースぶり。どんな競馬にも対応できるし、ＧⅠレベルでも期待している馬です」

鞍上はその豊かな才能を高く評価する。ＧⅡの舞台でも分厚い年長馬の壁を打ち破り、ダート界の登り竜として輝きを放つ。（板津雄志）

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