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桜花賞の追い切りが5日、東西トレセンで行われた。栗東ではシンザン記念を制したディープインパクト産駒のライトクオンタムが、CWコースで軽快な脚さばきを披露。中間は調教の量をこなしつつ、ハミ受けやゲートの課題にも取り組んできた。
ディープインパクト産駒の最終世代ライトクオンタムが、春の陽気に包まれた栗東CWコースを軽やかなフットワークで駆け抜けた。手綱を取った武幸調教師は、思惑通りの内容にうなずいた。
「先週の水曜と日曜に強い調教をしているので、きょうは調整程度。強い調教をする予定は最初からありませんでした。順調に来ています」
併せると力む面があるため、単走を選択。道中はゆったりと走り、馬なりのままラスト1ハロン12秒3(4ハロン57秒1)でフィニッシュ。過去2走と比べると最もセーブした最終追い切りだが、師は「時間をとって長いプランでやってきた。この馬にしたらデビュー以来、一番強い調教をしてきました」と手応え十分だ。
前走のシンザン記念は出遅れて道中は終始、右に行きたがる若さものぞかせた。それでも直線は大外から父をほうふつとさせる末脚を繰り出し、豪快に差し切った。賞金を加算できたことで、じっくり課題に取り組む時間を確保できた。
前走後は2週間ほどハミ受けを矯正してから放牧へ。早めに帰厩し、ゲート練習を行うなど準備を入念に行った。1週前追い切りに騎乗した武豊騎手は「随分、(ハミ受けは)解消されて、真っすぐ走るようになっていた」と好感触を語る。
武豊騎手&幸四郎調教師の兄弟タッグで挑んだ昨年は、ウォーターナビレラでハナ差2着。「本当に悔しかった」と武豊騎手は振り返る。2年連続で挑む大一番に、トレーナーは「タッグの前に僕自身がGⅠを勝っていないので、早く取りたい」と自然体を貫くが、兄は「ディープインパクトの子供だし、調教師は武豊の弟だし、そういう縁もいいのかな。最終世代からクラシックホースが出たらうれしい。(先週、自ら更新したGⅠ勝利の)最年長記録を更新したい」と2週連続タイトル奪取に意欲を見せた。
キャリア2戦で桜花賞を勝てば、デアリングタクト以来4頭目。偉大な血を引く才女が、史上9頭目の無敗Vで頂点まで駆け上がる。(斉藤弘樹)