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2022年の総決算・有馬記念の1週前追い切りが15日、東西トレセンで行われた。美浦では天皇賞・春、宝塚記念を制してファン投票1位で選出されたタイトルホルダーがWコースで豪快な走りを披露。重馬場の凱旋門賞で11着に敗れたダメージも抜け、上昇気配を漂わせていた。
氷点下の美浦に、王者の蹄音が鳴り響いた。GⅠ3勝を誇るタイトルホルダーが美浦Wコースでの1週前追い切りで迫力満点の動きを披露。またがった横山和騎手が晴れやかな表情で口を開いた。
「前に1頭置いて、後ろで我慢しているとき、合図を出したときの反応を見ながら併せていきました。折り合いもうまくつきましたし、時計も良かったです」
道中はアウトパフォーム(2勝)を2、3馬身ほど追走。直線で内に入ると、馬なりのまま抜群の手応えで並びかけ、半馬身先着した。この日のWコースは時計がかかっていたが、その中で5ハロン66秒9-11秒5の好時計をマーク。見守った栗田調教師は「きょうの動きを見て文句をつける人はいないでしょう。先週と比べても息遣いがいいし、体も気持ちも整ってきましたね」と笑顔をのぞかせると、鞍上も「ラスト100メートルはもう少し躍動感がほしいと思いましたが、ウッドチップが乾燥して動きづらかったことを考えれば、そこまで気にしなくていいですね。終わった後の息の入りも良かったです」と納得の表情を浮かべた。
歴代最多となる36万8304票を集め、堂々のファン投票1位として宝塚記念に続くグランプリVに挑む。「そういう馬と有馬記念の舞台に立てるのは、騎手としてありがたいし幸せ。僕自身、この馬がどういう走りをするか楽しみにしている中の1人ですし、タイトルホルダーらしさを見せられる競馬ができればと思います」と横山和騎手は力強く締めた。日本の総大将として臨んだ凱旋門賞では11着と涙をのんだ。しかし、このままでは終わらせないのが王者。クリスマス決戦で、4つ目の〝タイトル〟をつかみ取る。