今週から舞台は東京。開幕週のメーン「第７０回毎日王冠」には今年も中距離のビッグネームが名を連ねた。昨年の覇者アエロリットはこの春、安田記念でクビ差２着とアーモンドアイ（３着）に先着し、改めて府中巧者ぶりをアピール。開幕馬場を味方に連覇へ虎視眈々だ。

　“東京で牡馬相手”。この２つのキーワードがそろうと、そのポテンシャルを遺憾なく発揮するアエロリットが、この秋も毎日王冠で復帰する。

　「右回りと左回りでは明らかにパフォーマンスが違うし、左回りにこだわりたいね」。狙い澄ました復帰戦へ、菊沢調教師も適性の高さに絶対の自信を持つ。春の総決算の安田記念は昨年に続いて惜しいクビ差２着だったが、最強女王アーモンドアイに先着したのだから見事。衰えなど微塵も感じさせない。

　スーパーＧＩＩ連覇へ、予定していた田辺騎手（騎乗停止）に替わり、鞍上には新たに津村騎手を迎えるが、その新パートナーを背にした２６日の１週前追い切りが圧巻だった。Ｗコース６Ｆ８０秒７、ラスト１Ｆ１２秒７の好タイムに「（手綱を）持っていかれそうだった。聞いていたとおり、パワーがすごい」と、鞍上も感嘆の声を上げた。

　届きそうで届かないＮＨＫマイルＣ以来のＧＩタイトル。左回りにこだわる今年は、最強メンバーが集う天皇賞・秋へその思いをぶつけることが決まっている。「年齢を重ねた分、無駄なことをしなくなったし、いろいろな面でしっかりとしてきた。自分のリズムで走らせてくれれば」とトレーナー。完成期を迎え、ここを通過点に中距離の頂点奪取へと動き出す。（夕刊フジ）

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