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昨春、福島牝馬Sを勝ってみちのくの女王に輝いたアナザーリリックが、今度は越後の女王を目指して津村騎手を背に美浦芝コースで驚きのタイムをたたき出した。
セブンリーチ(3歳未勝利)を3馬身ほど追走からスタート。じわじわと差を詰めると直線入り口で外に進路を取り、馬なりのまま鋭く加速して1馬身先着。じめじめとした暑さを吹き飛ばすかのように、さっそうと駆け抜けた。ラスト1ハロンはなんと10秒4(4ハロン52秒5)。時計が出やすい芝コースとはいえ、10秒台は破格の時計だ。
「テンが遅かったのでゴールしてからもある程度やりましたが、元気いっぱいでまだまだ前進気勢がありました。2週前は少し重いかなと思いましたが、先週、今週とだいぶ上がってきました。在厩して落ち着きが出てきて、雰囲気はすごくいいですね」
3週連続で稽古をつける主戦も上昇具合を感じ取る。今年は日本中が厳しい暑さに見舞われているが、愛馬は調教をバリバリこなしている。「体が絞れるし、夏場は本当に状態がいいですね。前、前々走がふがいない競馬でしたが、この馬の力を出せれば上に行けると思っています。新潟は相性が良く、2回ともいい競馬をしているので楽しみですね」と、2つ目のタイトル奪取に期待を膨らませる。
愛馬の状態に自信をのぞかせるのは林調教師も同じだ。「動きは良かったです。クモズレ(球節付近の外傷)ができやすい馬なので芝でやりましたが、特に深い理由はなく、2週前からWコースでしっかりやって仕上がっています」と、芝コースを選択した理由を説明。ここまでいたって順調に調整されており、「新潟は得意なコースで、競馬がしやすいと思います。メンバーは強いですが、同じ夏の新潟で勝った準OPの勝ち方が良かったですし、状態もいいので、いい競馬ができると思います」と期待を込めて送り出す。
〝夏は牝馬〟という格言があるように、先週はレパードSを牝馬のライオットガールが制覇。今週も活力にあふれた牝馬が牡馬を一蹴するシーンが見られるかもしれない。