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美浦トレセンに移動した大阪サンスポの川端亮平記者(32)は4日目、毎日王冠2着のディサイファに注目した。ここを目標にデキは最高潮で、〔1〕枠(1)番の絶好枠をゲット。陣営がじっくり育ててきた6歳馬が、大輪の花を咲かせるかもしれない。
♪はぁ~るばるきたぜ 美浦まで~
菊花賞を勝って歌ったサブちゃんにならってこぶしをきかせると、5時間超の移動疲れも吹っ飛んだ。早速、函館の女ならぬ、関東の馬をチェック。最も気になるディサイファが4日目のターゲットだ。
競走馬としてはベテランの6歳ながら充実ぶりが目を引く。今年は中日新聞杯、札幌記念の重賞2勝を含めて【2・1・1・1】。満を持してのGI参戦だ。厩舎で直撃した小島太調教師もかなりの手応えをつかんでいた。
「去年(12着)も夢を持っていたけど、強気の夢じゃなかった。今年は予定を立てた通りにきていて、戦績もそこそこ。状態もピークにもってこられた。去年と違ってよくなっているから、今ならば、とね」
まくし立てるような指揮官の言葉からは、聞いているだけで汗をかくほどの熱を感じた。蹄(ひづめ)が弱く、じっくり時間をかけて育ててきたぶんだけ、思い入れは強い。
指揮官の思いもくんで手綱を取ってきた四位騎手も「去年とはまるっきり違っている。ゲートを自分から出ていくようになった。位置を取りに行って取れるし、控えてもいい脚を使える。競馬の幅が広がった」と進化を実感していた。まさに“勝負のとき”がきたようだ。
追い風も吹いている。29日に決まった枠順は〔1〕枠(1)番。東京芝2000メートルはスタートしてすぐに2コーナーへ。その形態から内枠が圧倒的に有利で、コースを改修した2003年以降で最多タイの2勝を挙げている。ディサイファにとって、重賞初勝利だった昨年のエプソムC、今年の中日新聞杯を勝った縁起のいい最内枠。吉永助手は「東京2000メートルは内の方が有利なんでね。最短コースを通ってこられるので申し分ない」と満足げにうなずいた。
レースのポイントになる枠順で、運を味方につけた。小島太調教師は騎手時代、1986年にサクラユタカオー、95年はサクラチトセオーで秋の盾を奪取している。今ならば-。勝ち方を知っている勝負師の自信の弁が心にしみた。
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