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02年に急死したサンデーサイ レンスは94年の札幌3歳Sから15年間、産駒が連続重賞V記録を続けている。今週の中山記念では、エアシェイディ、キャプテンベガ、キングストレイルのSS産駒3頭が出走する。GI連勝の記録こそ07年で途切れたが、重賞ではまだまだ目が離せない存在だ。
92年の初年度産駒から最終世代の03年産駒まですべての世代でGI馬を輩出し、日本競馬史に偉大な足跡を残した大種牡馬サンデーサイレンス。連続GI勝ち記録こそ14年(94~07年)でストップしたが、94年の札幌3歳S(プライムステージ)から続く重賞V記録は、いまだ継続中だ。中山記念では、エアシェイディ、キャプテンベガ、キングストレイルのSS産駒3頭が出走する。
「精神的にも肉体的にも昨年の秋頃から身が入って、今が充実期だね」とにこやかに語るのはエアシェイディを管理する伊藤正調教師。シェイディは今年8歳。ひと昔前なら古豪と言われたが、「育成牧場や医療などの技術が向上して競走寿命が延びた」と伊藤正師が語るように、現在はそれほど珍しくなくなってきた。2度の骨折を乗り越え、8歳でなお進歩するのは「人智を超えた素晴らしい種牡馬」とトレーナーが最大限の讃辞を贈るSSの血の力が大きい。
キングストレイルにも同じことが言える。こちらは7歳だが、2歳時から息の長い活躍。「中山は実績のあるコース。体調もいいから楽しみにしている」と藤沢和調教師が笑みをこぼす。
SSの最終世代となるキャプテンベガは、母が名牝ベガという超良血。重賞は未勝利だが、前走のGIII東京新聞杯2着と良血開花を印象づけた。「状態は変わりなく来ていると聞いている。前走ぐらい走ってもまったく不思議のない馬。距離も最適」と松田博調教師。病気療養から今週、現場復帰するトレーナーの快気祝いとなるか注目だ。
サンデーサイレンスが02年に急死(蹄葉炎を原因とする衰弱性心不全)してから早や6年。偉大な父の血を受け継ぐ残された産駒は、まだまだターフをにぎわせるに違いない。(松永昌也)