今週は牝馬クラシック第２弾のオークス（２１日、ＧⅠ、芝２４００メートル）が東京競馬場で行われる。主役はもちろん昨年の最優秀２歳牝馬で、桜花賞で鮮やかな大外一気を披露したリバティアイランドだ。管理する中内田充正調教師（４４）＝栗東＝を直撃。１強ムードが漂うが、指揮官は「ウチが決して抜けているとは思いません」と気を引き締めた。（聞き手・増本隆一朗）

──前走の桜花賞は圧巻のパフォーマンスでＧⅠ２勝目

「見ている方からしたらドキドキハラハラのレース内容でしたけど、馬が競馬を覚えてきたので前半、力まず走ることができて、ジョッキーに動かされたら動いてくれました。強い内容だったと思います」

──阪神ＪＦから直行だった


「仕上がりに関して苦にする子ではないですし、中間も順調でした。一戦挟まなくても、桜花賞にいい状態で出走できるんじゃないかと思いました。２歳時に３戦させてもらって、そういうイメージがありました」

──初めて見たときの印象は

「第一印象としては、やはり体ですね。１歳の夏前に見ましたが、恵まれた馬体、身のこなし、常歩（なみあし）など、素材はいいものを持っているなと、ずっと思っていました。特にトモ（後肢）の強さは特徴的でした」

──１週前追い切りは栗東ＣＷコース単走で６ハロン８９秒１－１１秒９。軽めの調整に映ったが

「力まず、リズム良く、というところでやりました。１回使って、体が締まっていたこともありますし、東京への輸送もありますからね。非常にリラックスしていましたし、しまいも伸び伸びと走れていました。イメージ通りにできました」

──ポイントは初の２４００メートル

「ずっとマイルしか走ってきていないので、距離が課題であることは間違いないでしょう。この中間は距離を意識してというのと、現状の体を考慮しての調整をしています。距離はもちそうというより、こなしてくれるんじゃないか、対応してくれるんじゃないかというところですね」

－－改めてこの馬のセールスポイントは


「一番の武器は並外れた瞬発力と機動力。素晴らしいものを持っていますね。それぞれの立場があって、今まで乗って『いい馬』と思っているのと、管理させてもらうのとではまったく別物という感じですが、多分、ここまでの馬は初めてじゃないかと思います」

－－相手関係は

「どの馬も出走している限りチャンスはありますし、日本の競馬は展開ひとつでガラッと着順が変わる内容が多いですからね。この距離になっていい走りをする馬もいるでしょうし、ウチが決して抜けているとは思いません」

－－２冠目に向けて意気込みを

「前走をいい内容で勝ち切ってくれました。馬の状態はいいですし、いい結果を求めてレースまでうまく調整していきたいですね」

■中内田　充正（なかうちだ・みつまさ）　１９７８（昭和５３）年１２月１８日生まれ、４４歳。滋賀県出身。英国の大学で馬学を学んだ後、米国でＲ・フランケル調教師に師事。２００７年４月に栗東・橋田厩舎で厩務員、調教助手を経て１２年に調教師免許を取得。１４年３月に開業。１７、１９、２１、２２年とＪＲＡ賞の最高勝率調教師を受賞。１５日現在、ＪＲＡ通算３６１勝。同重賞はＧⅠ６勝を含む３３勝。

◆桜花賞ＶＴＲ　昨年末の阪神ＪＦ１着以来でも１番人気に支持されたリバティアイランド。スタートが速くなく道中は最後方の一角だったが、直線を向くと馬群の大外から末脚を伸ばし、ゴール前で先に抜け出した２、３着馬を捕らえた。当日は内有利の馬場だったが、そんな不利をモノともせず、上がり３ハロン３２秒９は出走メンバー最速。２位キタウイング（１２着）を０秒７も上回った。勝ちタイム１分３２秒１は、２０２１年にソダシが記録したレースレコード１分３１秒１に続く速さだった。

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