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オープン特別で圧倒的なパフォーマンスを発揮できるのに、重賞では善戦止まり。京都日曜メーン・GIIIシルクロードSに出走するエイシンタイガーもその1頭だろう。“オープン大将”というあまり嬉しくない名称を返上すべく、重賞初制覇を決める。
葵S、京洛S、淀短距離Sとオープン特別を3勝しながら、重賞では7戦してGIIICBC賞での2着が最高。いつしかエイシンタイガーは“オープン大将”というありがたくない称号を得てしまった。
昨秋は運にも見放された。3カ月半の休養明けを克服して京洛Sを快勝して勢い十分に挑んだ京阪杯では、道中で落鉄で12着と大敗。続く阪神Cでは8位入線ながら12着に降着となった。
それでも仕切り直しの淀短距離Sでは、上がり3ハロン33秒2と鋭い末脚を発揮して快勝し、寅年の今シーズンはこれ以上ないスタートを切った。
「前2走のうっぷんを晴らすような鮮やかな勝ち方でしたね。1200メートル路線なら、今の段階で5本の指に入る馬です。まともに走れば前回くらい走れる馬ですし、まだ余裕があるような感じでした」
西園調教師は淀短距離Sの鮮やかな勝ち方に胸をなで下ろし、重賞タイトル、そしてGIへの手応えをつかんでいた。先月28日の1週前追い切りでは、池添騎手が騎乗して坂路4ハロン55秒4-40秒0-12秒4(G前仕掛け)をマーク。「上がり重点の指示でしたが、本当にいい動きでしたよ」とトレーナーは仕上がりに関しても自信を持っている。
「この勝ち方ができれば、GIでも楽しみですよ」と西園師が見据える先には、春のスプリント王決定戦の高松宮記念(3月28日、中京、GI、芝1200メートル)がある。
GIの舞台で主役を張るためにも、何とかして“オープン大将”からの脱却が必要だ。京都芝1200メートルは【2・1・0・1】と落鉄した京阪杯以外は堅実に駆けている得意コース。ハンデも想定内といえる57キロだけに、シルクロードSは絶対に手に入れたいタイトルとなる。(高尾幸司)